†消えゆく温もり†




儚く消えゆく命ならば
せめて、夢の中では幸せに
儚く散りゆく命ならば
どうか、少しでも君のそばにいさせて…



†消えゆく温もり†



「快斗――――っっっ!!!!」
「ははははは。やったぞ。KIDをやっ……ぐぁっ」

新一は叫び声を上げて快斗に駆け寄った。
その間にも快斗を撃った狙撃者が笑う。
それにいらつきを覚えて、ユダはその男を撃ち抜いた。
声を上げて絶命した男に見向きもせずにユダは快斗たちのところへ向かった。
護ると誓ったのに…。
ぎりとユダは唇を噛み締めた。

「快斗、快斗!快斗!!」
「……………っ」

ユダは快斗に縋りつく新一を見て言葉を失った。
傷口は左胸部。
致命傷だった。
――いやだ、いやだ!快斗
戻って来るって言ったじゃねえか。
ずっと一緒にいようって…。
そんな、こんな穏やかな顔してるなんて反則だ。
これじゃあ、責めることもできない。
流れ出る命の源。
赤い水溜まりがその場に広がる。
血を吸った白が鮮烈で、綺麗で儚くて…。
段々温もりをなくしていく体が怖くて。
――誰か、快斗を助けて…

「工藤君!!黒羽君!!」
「新一!!」

駆けつけてきた哀と優作は、その惨状に目を見張った。
哀は手で口を抑えて絶句して、すぐさま快斗に駆け寄った。
今は、彼を助けなければ――。







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