†開幕の狼煙†




駆ける
自由に、奔放に
俺たちの未来は輝いているんだと
心の中で、期待しながら…



†開幕の狼煙†



「じゃ、また」
「ああ」

すべてを終わらせるためにふたりは笑顔で別れた。
新一は右へ。
快斗は左へ。
これが最後の別れじゃないから。
そう決意を固めて。
運命の最終決戦の始まり。




新一は快斗と別れてから真っ直ぐ走り続けていた。
もう直ぐコンピュータールームに辿り着く。
そこが新一がデータを取る目的の場所。
角を右に曲がろうとした瞬間、人の気配を察知して新一は急ブレーキをかけた。
壁に背をつけこっそり覗き込む。
そこには、三人の男が立っていた。
ここを通らないことには前には進めない。
コンピュータールームは直ぐ目前。
新一は覚悟を決めた。
ばっと飛び出して一番手前にいた男に渾身の蹴りを喰らわせる。
軽く吹っ飛んだ男はそのままに、次の男に向かう。

「だ、誰だ!!」
「くそっ」

無線を取り出そうとした手を捻り上げ、肘鉄を喰らわす。
その間に銃を向けてきた男に回し蹴りを喰らわした。
その反動を殺さずに更に踵落としを放つ。
どさりと倒れた男たちに新一はふうとため息を吐いて。
そして無線機を拝借した新一はコンピュータールームに足を踏み入れた。







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