†見守る星†




命より大切なものも
この世の中にはあるね
でも、君が死んで哀しむ人もいる
だから、何があっても戻っておいで
君の居場所は、君を必要とする人は
ここにいるから…



†見守る星†



「快斗君、ちょっといいかい?」
「ええ、いいですよ」

快斗は部屋に訪ねてきた優作を部屋の中に招き入れた。
快斗の瞳は、月の光を受けて赤く輝いている。
紫暗の瞳と赤のコントラストが優作の目を一瞬釘付けにする。
それに気づいた快斗はくすりと笑って椅子を勧めた。

「みんな始めて見る人は目を奪われるんです。穢れてますよね…」
「いや。こう言っては君を傷つけてしまうかもしれないが、とても綺麗だと思うよ」

快斗は一瞬驚いた顔をした後、儚く笑った。
まるですべてを諦めてしまったかのように。
優作は今回こそきちんと話をしようと思って快斗に向き合った。

「快斗君。君にはきっと何を言っても無駄だろう。悪い意味じゃない。私には君の考えを変えられないだけだ。だが、これだけは覚えていて欲しいんだ」
「何ですか」

快斗は笑顔で先を促した。
その姿はすべてを拒絶しているようで、それが哀しくて切ない。
やり切れない想いを抱えながらも優作は口を開いた。

「私は勿論、盗一もそして新一も、哀君たちも君の幸せを願っていることだ。けして誰も君を拒絶したりしない。みんな君のことが好きで、生きていて欲しいと思ってる。それだけは忘れないでくれ」
「…………知ってます。父さんも、新一も哀ちゃんたちだってみんなが俺の幸せを考えてくれてる。俺も、みんなの幸せを願ってる。だから、俺もそれに応えたいと思ってます」強い紫暗の瞳に射抜かれて優作は笑った。
君は本当に盗一に似てるよ。
もう言うことはない。
行っておいで。
待っているから。
盗一の代わりに私たちが――。







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