†終わりを目指して†




寒さも本格的になって
街はクリスマス色に溢れている
そんな中俺たちは
最終決戦に向けて歩み出した…



†終わりを目指して†



学科試験も終わり冬休みがやって来る。
でも、俺たちに休む暇なんてなくて、何かに急き立てられるように組織との最終決戦に向けて準備に余念がなかった。
これが終わればすべて終わるのだ。
冬休みが始まると、優作と有希子がやって来た。

「やぁ、久しぶりだね。新一、快斗君、哀君、博士、それに寺井さん」
「久しぶり〜〜〜!!新ちゃん、快斗君!!哀ちゃんも可愛くなったわね」

有希子に抱きつかれて離れろと騒ぐ新一に、苦笑気味の快斗。
可愛いと言われて頬に朱を走らせて澄ました顔をしてる哀。
それぞれの反応に、工藤夫妻は満足げな表情をする。
博士と寺井にも挨拶して、帰国直後のごたごたはなんとか収まった。
博士と有希子にはリビングに残って貰って、快斗たちは書斎に移動した。
今頃有希子たちは(快斗が淹れた)お茶でも飲んでいるだろう。
そうしてから優作は口を開いた。

「それで進んでいるかな?」
「誰に聞いてんだ」
「計画通り順調です」
「いつでも動き出せるわ」
「もう、すべきことは終えました」
「そうか。では、最終調整をしようか」

全員決意を固めた表情で頷く。
問題はまだ山積みだけど、それでも心穏やかに言えるから。
すべてを解決するんだって。

「では、快斗君と新一は別々に建物に侵入して快斗君は幹部たちのところへ。新一は地下にデータを破壊しに。寺井さんが後方支援で、私と哀君でサポート。これでいいかな?」
「はい」
「ああ」
「ええ」
「解りました」

上から快斗、新一、哀、寺井である。
決行は明日。
とうとうすべてが終わるのだ。

『全部終わらせるからね、父さん』

誓いを胸に最終決戦の火蓋が下ろされようとしていた。
そして、そんな決意に満ちた快斗を見つめる一対の瞳が…。







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