†対照的なふたり†




触れようとすれば
するりと交わされる
お前が何考えてるのか
俺には、わからねえよ…



†対照的なふたり†



快斗はいつも風呂上がりにペットボトルの水を飲む。
ごくりと上下する喉仏に欲情する。
そう、欲情してるんだ。
俺は快斗に…。
灰原は違うって言ってたけど、不安になる。
快斗が俺のことどう思ってるのか。

「なぁ、快斗…」
「何?新一」

てくてくと、何の警戒もなしに近づいてくる快斗をぐいっと引き寄せていきなり口付けた。舌を差し込むと、快斗に絡めとられ主導権を奪われた。
歯列をなぞられて舌を甘噛みされる。
ぞくりと震えた新一に、快斗は離れていった。

「ふっ…ぁっ……快、斗?」
「部屋戻るね、新一。お休み」

パタンと扉を閉めて出て行ってしまった快斗に、新一の不安は大きくなった。
そんなに嫌なのか?
俺たち恋人じゃないのか?
新一はただ茫然と快斗が出て行った扉を見ていた。




部屋に入って扉に背を預け、ずるずる座り込む。

「ごめんね…、新一」

潤んだ瞳に、確かに欲情した。
そのまま抱き締めて、すべて奪いたかった。
でも、すべてが終わるまでは…。
快斗はぎゅっと手を握り締めた。


本当は、もし死んでしまった時、少しでも彼の中に自分を残したくなくて…。
怖くて逃げているだけだってことに、自分が一番気づいてる。
あなたをひとりで残していってしまうかもしれない俺が、どうしてあなたを抱けるだろう――







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