†覚悟の代償†




お前が死ぬかもしれないって
この一週間俺がどんな気持ちだったのか
お前に解んのかよ
死のうとしてた、お前に…



†覚悟の代償†



ふと目が覚めた時、そこは見慣れた工藤邸の快斗の部屋だった。
周りを見回してみても誰もいない。

「俺、死んだのか?」

快斗が呟いた瞬間、扉が開いて新一、哀、優作、寺井、阿笠博士の順番で部屋に入ってきた。
新一は、快斗が目を覚ましているのに気づいて駆け寄ってきた。

「快斗ッッ!!」
「……俺、生きてる?」
「…………ッッッ……!!」

快斗の茫然とした言葉を聞いた新一は、目を吊り上げて快斗をひっぱたいた。
目を丸めて驚いている快斗に新一は瞳に涙を溜めて言い募った。

「『生きてる?』だって?ふざけんじゃねぇよ!!これなんだよ!?」
「………ぁっ……」

新一が快斗の横に置いたものは、快斗がもしものために作った小型の爆弾だった。
それが何故ここにあるのか。
快斗は顔色をなくしながら聞いた。

「なんでこれがここに?あれから何が…」
「ユダがお前を抱えて連れて来たんだよ…」



あの後、快斗が意識を失う直前に起爆スイッチを奪ったユダは、快斗の行動に驚いていた。
何故ここまでして意志を貫こうとする。
何故ここまで…。

「KID……」

建物がぐらぐらと揺れてきた。
もう、ここもまずい。
そうしてユダはKIDを抱え上げ出口に向かった…。







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