†開幕†
バーベキューをしたり、
花火をしたり
あっという間に時間が過ぎて
帰る日がやって来た…
†開幕†今日で楽しかった旅行も終わり、本格的に組織との対決の準備が始まった。
快斗と新一と哀、そして優作は計画の最終確認をしていた。
ちなみに寺井は情報収集のため欠席である。
「じゃあ、快斗君が最深部に潜って情報を盗ってくる。新一は外で内部の攪乱をして、哀君と私がサポート。それでいいんだね」
確認するように問う優作に、快斗は頷いた。
けれど、それに新一と哀は否を唱えた。
「いいわけねーだろ。快斗ひとりでなんてそんなの危ない」
「危険よ、黒羽君。計画を変更しましょう」
「大丈夫だよふたりとも」
笑顔でそういう快斗に新一と哀は猛抗議した。
ふたりとも怒った顔をしている。
「何が平気なんだよ!!組織を甘く見てんじゃねえ!!」
「そうよ。だいたい黒羽君はいつもいつも無茶ばかりして」
それにただ快斗は苦笑するだけ…。
快斗に何を言っても無駄だと気づいた新一と哀は優作を見た。
優作は重い息を吐いて意見を述べた。
「確かに快斗君ひとりというのは危険だと私も思う。だが、相手を攪乱させる人間が必要だというのも確かだし、時間ももうない」
優作の冷静な意見に皆が黙り込むと、快斗が笑顔で言った。
「大丈夫だよ。みんなが一緒だから。だから、絶対無事帰ってくるよ」
「快斗…」
「黒羽君…」
「だから、行かせて――」
これは、俺の問題だから。
せめて少しでもみんなが危険に晒されないように。
決意を固めている快斗に、もう誰も何も言えなかった。「それじゃあ決まりだね」
「絶対帰って来いよ、快斗」
「怪我してたら許さないからね、黒羽君」
心の中で心強い味方にありがとうとお礼を言って、快斗は笑った。
決行は目前――。
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