†当たり前なこと†





肩の傷も塞がってきたし、
明日から普通に学校にいくんだって
そう思ってたんだけど、
そう考えてたのは俺だけだったんだね…



†当たり前なこと†



「今日から学校?」
「行かせる訳ねーだろ」

学校に行く準備をしてた哀と新一に快斗は一刀両断されていた。
行く気満々でちゃっかり用意していた快斗はその駄目出しにショックを受けた。

「な、なんで!?」
「あなたこそ何言ってるの。その怪我で行かせると思う?」「行けるわけねーだろ。大人しく寝てろ!!」
「あなたは暫くは絶対安静よ」

ふたりの正論は快斗の胸にグサグサ突き刺さった。
だが、快斗も負けてはいなかった。
頑張って行けることをアピールした。

「そ、そんなことないよ。行けるよ」
「何を根拠に言っているの?」
「やけに自信あるみたいじゃねえか」
「だって、俺高校の時これくらいの怪我なら学校行ってたもん」

自信満々にそれなら大丈夫だろうと快斗は胸を張って主張した。
そう、何を隠そう快斗は例え銃弾に撃たれたとしてもちゃんと次の日には学校に行っていたのだ。
それを聞いた新一と哀は表情を厳しくした。

「そんな怪我であなた行ってたの…?」
「寺井さんは止めなかったのか…?」
「止められたけど、休むと白馬がうるせーし普通に行ってたぜ」

白馬の印象が新一と哀の中で地の底からさらに下へと下がった。
ダイヤモンドダストが吹き荒れ部屋の中が真冬のように氷点下になる中、唐突に哀が話出した。

「丁度臨床実験を待ってる薬がふたつあるの」
「丁度いいのがふたりいるぞ」
「あら、丁度いいわね。お願いできるかしら…」
「すぐ用意する」
「あ、哀ちゃん、新一?」

巻き込まれた某黒い鳥に合掌である。
先日も同じ目にあったばかりなだけに笑えない。
快斗は何か危険な空気を察知して口を出すのは控えた。
賢明な判断である。

「兎に角黒羽君。最低でもあと一週間は寝ていること」
「怪我早く治せよ。快斗」
「それと、家から出ると私たちに伝わるようにセキュリティー設定してあるから」
「俺たちだってあんまり怒りたくないんだぜ。昼は博士が持ってくるから」

じゃあ、と快斗に言って新一と哀はそれぞれの学校に向かった。
混乱して、取り敢えず逆らわない方がいいだろうと判断した快斗はベッドの中で大人しく過ごした。







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