†この奇跡に感謝を†





君が生まれた大切な日だから
めいいっぱいお祝いしたいんだ…
生まれてきてくれて
本当にありがとう



†この奇跡に感謝を†



快斗はベッドから抜け出してコンタクトを目につけていた。
これは、阿笠博士が作ってくれた快斗の瞳の色と全く同じ紫色のコンタクトだ。
勿論度はない。
月の光を遮るコンタクトは流石に作れなかったので、苦肉の策で同じ色のコンタクトをつけて瞳の色を隠すことになった。
快斗はキッチンに下りていって料理の準備をする。
今日は、新一の誕生日だから腕によりをかけて作るんだ。
粗方の料理の支度が終わった途端、ドタンバタンと大きな音が近づいて来た。

「「快斗(黒羽君)!!!!」」
「あっ、新一。哀ちゃん。丁度いいところに。料理できたよ」

今まで何故か外に出ていた新一と哀は、快斗の部屋に仕掛けた監視カメラから姿が消えていることに気づいて急いで走って来たのだ。
実は快斗は、先日の怪我で絶対安静を言い渡されていたのだ。
それなのに、今こうして此処で料理なんてしている。
しかも、滅茶苦茶手間暇かけてそうな肩に負担をかけていそうな料理ばかり。

「黒羽君。私は動いちゃ駄目って言わなかった」
「快斗!!何やってんだよ。早く寝てろ!!」
「でも……」
「「でももだってもない!!!!」」

二人に威圧的に責められて快斗はシュンと落ち込んだ顔をした。
それに新一と哀の良心がちくちくと痛む。

「今日は、新一の誕生日だからお祝いしたかったんだ…」
「快斗…」
「黒羽君…」

感動と諦めの気持ちを持ちながら新一と哀は苦笑した。

「サンキュ。嬉しいよ、快斗」
「仕方ないわね。今日だけよ」
「………うん!!」

二人に許可がもらえて快斗は凄く嬉しそうに笑った。
それから、阿笠博士も呼んでみんなで新一の誕生日パーティーを開いた。
快斗の力作の料理は本当に美味しかったが、無理はしないで欲しいと切実に皆が思った。

「「「HAPPYBIRTHDAY!新一(工藤君)」」」
「サンキュ////」

料理が食べ終わってお開きになってから、快斗と新一は快斗の部屋へ移動していた。
ベッドに腰掛けた二人は、寄り添いあっている。

「新一。誕生日おめでとう」
「――快斗?」

快斗がマジックで綺麗にラッピングされた小さな箱を取り出した。
驚いて見ていると、開けてみてと急かされる。
中から出てきたのは、指輪だった。
中にサファイアがついた指輪とチェーン。

「これ……」
「貰ってくれる?」
「ああ、大切にする」

快斗の首にも同じチェーンと中にアメジストがついた指輪。
微笑んで二つの影が一つに繋がった。
それを見ていた小さな少女と+1。
実は新一と哀が快斗を一人残して家を出なければならない理由を作った馬鹿な黒い生物である。
彼がこの後どうなるかは皆様次第です。







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