†真実は時に残酷で…†





どんな顔をすればいいのかな?
顔には張り付けたようなポーカーフェイス
笑顔の仮面をつけていれば、
全てなかったことにできますか?



†真実は時に残酷で…†



リビングでは有希子と博士と哀が話していて、快斗がダイニングでお茶の準備をしていた。
お茶菓子に焼いたスコーンを添えて、快斗はリビングに紅茶を用意した。

「どうぞ」
「ありがとう、黒羽君」
「ありがとうv快斗君」
「こりゃありがたいのう、快斗君」礼を言われ、快斗は微笑んだ。
焼いたスコーンを食べたらみんなが絶賛してくれた。
「美味しい」と言ってくれるのが一番嬉しいと快斗は作ってて思う。
そんな笑顔は此方まで幸せに感じるから。

「そうじゃ!新一君たちも呼んであげたらどうかのう」
「あら、いいわね」
「そうね。そうしましょう」
「じゃあ、俺呼んで来ますよ」

名案とばかりに博士が言うと、みんなもそれに同意する。
快斗が笑顔で引き受けると、「よろしく」と頼まれた。
リビングを出て快斗が書斎に近づいていくと、ドアが少し開いていた。
無意識に気配を消していたんだろう。
中から、話し声が聞こえてくる。

『―――単…直…にい…う。快斗君がパンドラなんだ…』

その言葉に、世界が闇に包まれた気がした…。
取っ手を掴んでいる手が震える。
今、彼は何を言ったんだろう。
分からない…。
ただ、呆然とドアの前で話を聞き続けた。

「快斗君が赤ちゃんの頃のことだ。私たち――盗一が快斗君の瞳が月の光を受けて赤く光ることに気づいた。調べた結果分かったのは涙に治癒能力があることと、怪我の治りが異常に速いということだった」「――っ……それって…」
「利用されることを怖れた私たちは偽りのパンドラの情報を流すことにした。宝石の中にパンドラが隠されていると――。パンドラの真相は、赤い光を放つ瞳を持つもの―パンドラ―の流す清らかな涙を飲むと不老不死になるというものだ」
「……じゃあ、何の為にあいつはKIDなんてやってんだよ!!それじゃあいつが…」

なんで、こんなことに…。
あいつが何したってんだよ。
哀しみと悔しさが込み上げできて、新一は壁を殴った。
ドンッと大きい音が鳴る。
そんなこと気にしてる余裕はなかった。
ただ、どうしたらいいのか分からずに…。
部屋の外にはもう誰もいなかった…。







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