†明かされた真実†





泣かない…
それが、最期の約束だから…
どんなに辛くても、
どんなに哀しくても、
泣くことだけはできないんだ…



†明かされた真実†



綺麗に桜が咲いた卒業式当日。
別れを惜しんで泣く者も多い中、新一はめんどくさそうに話しかけてくる同級生や下級生の相手をしていた。
快斗の方もこんな風に囲まれてマジックでも披露してるのかな?と思う。(←正解)
そう考えると胸がムカムカしてきて、自分の気持ちが分からなくて戸惑った。
胸がもやもやしている。
何故か快斗が他人に笑いかけるのが嫌だと思った。
今日、快斗も来ることだし思う存分八つ当たりしようと物騒なことを考えながら、新一はうむうむと頷いた。
責任転換である…。(←される方はたまったもんじゃない)

「新一、そろそろ帰ろう」
「そうよ、新ちゃん。卒業おめでとう」
「ありがとう、母さん。そうだな、帰るか…」


家に着くと、もう快斗が来ていた。
阿笠博士や哀と話しながら待っていた快斗は挨拶をした瞬間に、「新ちゃんに似てるわね。久しぶり快斗君」と本人たちを置いて盛り上がられてびっくりした。
なんでも、黒羽家と工藤家には友好関係があったらしい。
子供の頃にもあったことがあるようだ。
新一は、優作に話があると書斎に呼び出された。
有希子はみんなとリビングでお喋りしている。(←みなを振り回して)
書斎に着くと、優作が真剣な表情で話しかけて来た。

「新一、快斗君と友達を続けていこうと思っているかい?」
「何言ってんだよ…。当たり前だろ」
「そうか、なら大事な話があるんだ。快斗君の秘密を知ってるかな?」
「KIDだってこと言ってんのか?」優作の存外真剣な態度に緊張しながらも、新一はしっかりと頷いた。
それに優作は満足したように話を続ける。

「何を探しているかは聞いたかい?」
「パンドラっていう宝石だろう?」
「よろしい。単刀直入に言おう。快斗君がパンドラなんだ――」

鈍器で頭を強打されたような痛みを新一は感じた。
それくらい、衝撃的な発言だった…。







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