†見つけた真実†





何が何だか分からなかった…
何も気づいてやれなかった自分が悔しい
でも、
なんで何も言ってくれなかったんだ?
信じてくれなかったのかと哀しくなった…



†見つけた真実†



KIDが去った後、新一は呆然としていた。
どれくらいぼーっとしてたのか、はっとした時にはもう5分も経っていた。
KIDは、黒羽だった。
その事実が新一に衝撃を与えていた。
快斗の笑顔や怒った顔、いろいろな表情が浮かんできて、不意に快斗の言葉を思い出した。
『……なぁ、捕まえたら――俺にも見せてくれる?』
『ああっ!!絶対見せてやるよ』
『KIDは犯罪者なのにね…』
あいつは、どんな気持ちで俺の話を聞いてたんだろう…。
――どんな気持ちで、この言葉を言ったんだろう。
でも、去り際に残した笑顔に気づいた。
捨てられた仔犬のような紫暗の双眸で、哀しそうな笑顔をしていた。
どれほど辛かっただろう。
友達として俺たちに接して、捕まえるという言葉を聞いて…。
傷ついてたよな…。
疲れてたよな…。
気づいてやれなくてごめん…。

「絶対見つけ出してやる」



バンッと乱暴な音がして哀はびくりと体を強ばらせた。
誰何の声を上げようとするのを遮って、それは叫びながら飛び込んで来た。

「灰原!!」
「……工藤君。驚かさないで」

突然飛び込んで来た新一に驚きながら、哀はKIDの現場に行った筈だと考えていた。
あの狙撃があってから哀は一度もKIDの現場に連れて行ってもらえていない。
何かあったのだろうと考えた。

「黒羽だよ!!」
「黒羽君がどうかしたの」
「黒羽がKIDだったんだよ!!」「……………はぁっ?」

たっぷり10秒間、哀は呆然としていた。
脳が理解すると同時に思わず叫んでしまった。

「それで、黒羽君は?」
「逃げられた……」
「バカ?」
「仕方ねえだろ!!携帯にも出ないんだよ!!あんなこと俺にしたクセに」
「あんなこと?まあいいわ。それは後でじっくり聞かせてもらうから。とにかく探すわよ」
「ぁ、ああ……」

あんなこと――キス――を思い出して真っ赤になったのを哀にばっちり見られてしまった。
マズいことを口走ってしまったと思っても、既に遅かった。



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