ギュッと抱き締めた躯が、居心地悪そうに身動ぎするのを新一は感じた。
それに、衝動的に拒絶の言葉が口から飛び出した。
「――――いやだっ!!」
「……コ…っ、……」
何かを紡ごうとする快斗に、本能的に感じたのは恐怖。
儚いのに、――綺麗だと思ったのに…心の底ではカッコいいと思っていた。
そのまま消えてしまいそうな気配が刹那的な印象を植え付けて、恐怖に心が震えた。
どうせ消えてしまうなら――。
新一が連れ去りたかった。
あんなところに閉じ込められてまで周りの人を大切にする快斗が、まだ出逢ったばかりなのに新一は無意識に好きになっていたのだ。
「いやだっ! イヤだ、嫌だ!」
「ちょっ、コナ……おちつ…」
一度パニックを起こした思考は、いくら新一が探偵として常に冷静であろうと決めていても、容易にコントロールできるものではない。
消えてしまう。
新一の元から、離れてしまう。
そんなの、絶対に嫌だ。
「俺と一緒に来いよ! 離れてくなんて言うな…。そばに、居てくれよ」
新一を引き離そうと躍起になっていた快斗は、瞳を驚きに見開いた。
どこまでも澄んだ、“神のみに許される”紫。
その、闇の中でさえ光を失わない強さがスゴいと思った。
だから、手に入れるためなら――手段なんて選ばない。
探偵になってから自らに架していた“泣かない”という自制も、あっさりと消し飛んだ。
「そばにいろよ、キッド――」
零れ落ちる涙に意識を奪われた快斗に、色んな思惑を隠しながら近付いたその時、悲鳴のような叫び声が聞こえて来た。
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間違いなく快←新になった。
展開決めてないから話がぐだぐだ(笑)←
2011/11/07 23:09