「ちょっと待て! ……じゃなくて、待って下さい寺井さんっ」
新一は、快斗と同室になることばかり気にしていて、もっと気にしなければならないことを聞いていないことに気付いた。
それは、部屋のことだ。
この学園の寮に暮らすものなら誰もが知っていた。
先程告げられた1412号室が“開かずの間”と呼ばれる部屋なのだと。
今まで、誰もが入ったことのないその部屋に、何故自分たちが入れるのか。
それが不思議でならなかった。
「何でしょうか?」
「そこは“開かずの間”でしょう? 入っていいんですか?」
「良いも何もそもそもあの部屋はキッド様のために作られたお部屋なのですよ。ですから、キッド様がいらっしゃる今あの部屋は必要なのです」
冷静に答える寺井に、新一は舌を巻いた。
完敗だ。
先回りされすぎていて眩暈がした。
「本当に大丈夫何だろうな? キッドに何かあったら、只じゃ済まさねえぞ」
「私共は決してキッド様を傷付けたりは致しません。
あなたこそ、何が起ころうともキッド様の味方で在り続ける覚悟がおありですか?」
真摯な問い掛けに、新一は腕の中の快斗を見やって穏やか笑みを浮かべた。
その笑顔に、すべての決意が秘められていた。
「ああ……。行こうぜ、キッド――」
差し出された手を、快斗は取った。
それは、新しい時代の始まり――。
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寝ちゃいました(笑)
最近おねむです><。
2011/11/17 22:56