「――――――っ……」
こんな時まで人を思いやる快斗の心の在り方に、切なく胸が痛んだ。
何もできない自分がやるせなくて辛い。
「こ、……っ」
「いいに、いいに決まってんだろ! オメーが幸せにならなくて、どうやってオメーがこの世界を護るんだよ。
キッドが幸せだから、だからこそこの世界は光り輝くんだ。
オメーが幸せじゃなくて、どうして世界が平和になる? 幸せになる?
この世界は、確かに辛く苦しいだろう。でも、だからこそみんな必死で生きてんだ。
――キッドが、それを与えてくれたんだろ?」
伝えたいことはもっとたくさんあるけれど、今は幸せになっていいんだとキッドに伝えたかった。
ずっと我慢を強いてきた快斗。
その幸せの架け橋になれるのなら嬉しかった。
新一の優しさに泣きじゃくる快斗を、新一は抱き締めた。
この誰よりも儚い人に近づきたかった。
「では、寮のお部屋はお分かりになりますね、工藤様。こちらがルームキーになります」
淡々と処理を進める寺井に、新一は咄嗟に鍵を受け取ってから我に返り叫んだ。
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眠いけど頑張れる。
ありがとうございました!
2011/11/16 23:36