「そこまで仰るならわかりました、工藤様。これより、キッド様の処遇とあなたの処遇をお話致します。
まず、工藤様には今日からこの学園の寮に“正式に”入寮して頂きます。あなたは現在特別措置で、自宅通学でしたな。
部屋は1412号室。部屋替えです。そして、キッド様と同室になって頂きます」
一気に淀みなく告げられた内容に、新一は慌てて割り込もうとした。
実はこの学園は、全寮制なのだ。
今まで、新一は探偵としての実績とかで自宅通学を許されていた。
一応与えられている部屋は実は平次と同室だったりするのだが。
「ちょっ!? キッドと同室?! しかもいきなり今日からなんて無理に…」
「優作様に引越の手続きはして頂きました。直ぐに荷物が運び込まれます。
あとはあなた方が寮に入るだけで御座います」
問答無用で進められる会話に、快斗がぴくりと反応した。
期待してもいいのだろうか?
ずっと写真で見る外の世界に憧れていた。
今日、太陽が見られて嬉しかった。
眩しいって意味を、初めて知った。
それだけでいいと思おうとしていたすべて。
これからは、もっとたくさん見られるかもしれない“光”。
「…――い、いの……?」
躯が震えるのは、嬉しいからだ。
視界が滲むのは、幸せだからだ。
こんなにも近くに優しさが溢れていた。
快斗の涙に息を呑むみんなに、快斗は震えるみっともない声で問い掛けた。
「自由に、なって、も…いい、……の? “明るい、世界で”…生きて…――いいの……」
血を吐くような悲痛な訴えに、耐えきれなくなって新一は快斗を抱き締めた。
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ぶった切ってすみません。
続きは明日!
2011/11/14 22:55