君の笑顔は太陽のように眩しい




私と早坂くんは今年で3年生になった
私もそろそろ進路決めなきゃ 就職か、それとも進学…?
早坂くんは、もう大体進む方向は決まっていみたいで大学進学ってこの間言ってたっけ
ああ、やだなぁ
なんでこんなに悩んでるんだろう…なんて、答えは明白なんだけど
就職がいやとかじゃないんだよ、別に就職でもいいと思ってる
私は勉強が好きなわけでも、なりたい職業があるわけでもないし


ただ、まだ早坂くんと一緒にいたいそう思えて仕方がないんだ
高校を卒業すると、今までのように毎日早坂くんと顔を合わせられない
そう思うと妙に胸が苦しくなる
でもそれは甘えだから



相談するにも、誰にも言えなかった



最近、黒崎が暗い気がする
なんなんだ
俺が聞いてみても「なんでもないから早坂くんは心配しなくてもいいよ」としか言わない
どう考えても何かに悩んでるんだろうけど、聞かないでと言っているのだから聞けない
俺は黒崎に何も出来ないのか



「あやべ〜ん、お弁当貰いに来た〜」
夏は過ぎたが日は照っており少し運動しただけで額には汗が滲む
それでも何も無い屋上では少し風が強く、肌寒い
「黒崎か、待っとったで」
「今日は何が入ってるの?」
何か、違和感を感じる
いつもと変わらない会話の筈なのに、黒崎が少しよそよそしい気がする
「…どうかしたんか」
「なんの話?あやべん」
コイツは嘘が下手クソやな
「なんや悩んでるか知らんけど、そんな顔されたら早坂も困るんとちゃうん?まあ…悩みは大体予想つくけど」
「やっぱりあやべんには敵わないよ、料理は上手いし、喧嘩も強いし、洞察力もあるんだもん」
諦めたように、話し出す黒崎
「そらありがとうな、それで何を悩んどるんや」
「ちょっと進路についてね」
「もうそういう時期なんやな」
調度三年前の自分もこんなことを考えていたのと思うと、なんだか変な感じがする
でももう三年前とは違う
「そうだよ、もうそういう時期なんだよ、決めなきゃいけないんだよ」
黒崎に救われたから
「そうやな、俺はもう決まってんねん、就職や」
「え、あやべん就職しちゃうの…?」
「しちゃうて…そりゃな、進学も考えたけども…やっぱり俺は弟達が大切やからな」
「そっか…」
あやべんはちゃんと将来を見据えて決めたんだね…それなのに私は…
「あやべん、私ねすごく甘い考えをしちゃうんだ」
「なんや」
「あのね、私は別に特に勉強がしたいわけじゃないんだ、就職がいやってわけじゃないんだけどね…あのね…」
「もったいぶんなや」
「もう…早坂くんに会えなくなるのかなって…思ってさ」
「……別にええんとちゃう?早坂と同じ大学に行っても」
「でもなんか動機が不純じゃない?なりたい職業があるわけでもないのに」
「世の中には取り敢えず大学って奴は沢山おるけどな」
「でも私頭良くないし…」
「努力すればええだけとちゃうん?お前努力したんか?する前に諦めんなや」
綾部の言葉はひどく真冬の胸に刺さる
「もう一度一人で考えてみるよ」
「おう」
「ありがとうあやべん」
「気にせんでええ、みんな悩んどるんや」
真冬は綾部から貰った弁当を抱え、屋上を後にした

しまったなぁ…言い過ぎてしもた
俺もまだまだ子供やな
…片思いなんてわかってた筈なのにな




「今日も空が広いなぁ・・・」
寒空が広がる1月
真冬はかじかんだ両手を擦りながら呟いた
試験会場の大学には入試を受けに来た学生で賑わっている
受かったら私はこの大学に通うことになるんだ…
みんな違うところで頑張ってるんだよね…私も頑張らなきゃ
真冬は人ごみの中にまぎれていった




真冬はまた受験会場に現れていた
校門から伸びる並木道を桜が桃色に変えている
今年からここに通うことになったのだ



「黒崎…?」

背中から聞き覚えのある声が聞こえた
振り返ると見慣れた金髪の男
「……は、早坂くん?」
「黒崎、大学に受かったってのは知ってたけど、ここなのか?」
「早坂くんこそここなの…?」
「おう!」
「これって夢じゃないよね?」
「夢じゃねぇよ」
「これからも早坂くんと同じ学校に行けるんだね」
「…これからもよろしくな、黒崎」
「うん!」




―――――
設定の蛇足
真冬はあやべんに相談してから早坂くん関係なく最終的に進学をぶ
進むと決めたのでもう悩まないので、早坂くんも何を悩んでいたのか野暮なことは聞かない
真冬と早坂くん違う学部ですが大学でもよく一緒にいる
相変わらず女の友達が出来ない真冬







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