それじゃあ、また明日



黒崎が最近になって俺を避けるようになった
理由は明白


俺が黒崎が夏男だってことを知ってしまったから


避けると言っても席は隣同士のままだし回数は少なくなったものの弁当は一緒に食べるし部室にはちゃんと来る一緒にいるのに俺と黒崎の間に会話がなくなった
黒崎は嘘を付いていたことに罪悪感を感じていたのか「ごめん」しか言わなくなった
確かに初めは驚いたがでも納得は出来たそれよりも黒崎が遠ざかってしまったことに違和感を感じる


気付いたら俺は黒崎に電話をかけていた時間は8時過ぎ
もうご飯も食べ終わってテレビでも見てるのだろうかそれともお風呂に入っているのだろうか

「もしもし」
確かに黒崎の声だった
「おう…悪いな急に電話して」
「いや別に、テレビ見てただけだから」
きっと俺が事実を知らなければ、そう思わされた
「そ、そうか」
「何か用事あるの?ないなら切るよ」
言葉が酷く胸に応えた


「…黒崎は夏男なんだよな?」
「うん…ごめ「謝るな」
「黒崎、一度しか言わないからちゃんと聞いてくれないか?…聞き直しても二度と言わねぇからな」
「…」

「初めは驚いた、黒崎が夏男ってことにでも前々から怪しいと思ってたんだ黒崎は弱くないんじゃないかって夏男がいるときに限って黒崎がいないのもそういうことなんだなって理解出来た…」
黒崎は無言のままだ
「というか急に困るんだよ一人でふさぎ込みやがって俺はお前の友達じゃなかったのかよ別にお前が男に成り済まそうが関係ねぇよ俺はお前のことが…!!?」


ちょっと待て俺…
今なんて言おうとした…?


「え、なに?」
「なんでもねぇよ」
「…いやなんでもなくないよね!?続き聞かせてよ!」
「なんだよ急に元気になりやがって!さっきまでのクールな感じどこいったんだよ!」
「クールとかどうでもいいよ!そもそもそんなん私の性に合わないし…二度と言わないんでしょ最後まで言ってよ!」
「言わねえ!絶対言わねえ!」
「早坂くんのケチ!金髪!真面目!」
「真面目関係ないだろ!」



危ない危ない…黒崎の前で本音を言いそうになった
気付かれてないか…?
いや、大丈夫か
アイツ抜けてるとこあるしバカで単純で真っすぐで鬱陶しい位明るくて
…そういうところが好きなのかもな



――――――
真冬=夏男だと知っても真冬=ウサちゃんマンには気付かないそんな早坂くん




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