届けないラブレター



「うーーーん」


みなさんおはようございます、真冬です。
お元気ですか、私は…私は…


おなかが痛いです。


いや、普段は生理そんなひどくないんだけどなぁ
なんでこんな痛いんだ…
腹巻とかしてくればよかった


「どうしたんだ?黒崎」
隣の席の早坂くんが察したように話しかけてきた
「あ、早坂く〜んおはよ〜…」

「お腹でも壊したのか?」
「うん、まあそんな感じ」
今の私ってどんな風に見えるのかな、元気ないように見えるのかな
「ほら使えよ」
「えっわっ!」
早坂くんの手から放りだされたのは開封済みのまだ温かいカイロだった
「さっき開けたばっかだから軽く昼くらいまでならもつんじゃねぇか?」
「でもいいの?これ早坂くんが自分で使うために持ってたんでしょ?」
「俺は別にいいんだよ、下痢に苦しんでる訳でもねぇし」
「下痢じゃないよ!」
「黒崎のことだからまた拾い食いでもしたんじゃねぇの?」
「いやだから下痢じゃないって言ってんでしょ!!」

その後も
「黒崎、休みの内にトイレ行かなくて大丈夫か?授業中我慢出来るか?」
「早坂くんはまず下痢から離れようよ!」

「保健室行かなくてもいいのか?」
「温かい飲み物いるか?」

等とても世話を焼いてくれた
なんて優しいんだ



「黒崎…今日部活行けるか?」「うん行くよ」
そう答えると、早坂くんはうんうんと唸りながら眉間にしわを寄せている
「ど…どうしたの…?」
「いや、部室はクーラーねぇから黒崎が寒いだろうし、なんかいいもんねぇかなって考えてたんだけど思いつかなくてな…」たかが腹痛なのに、こんなにも心配してくれるんだね
「早坂くん」
「なんだ?」


「ありがとう」

とっても優しい早坂くんだからこそ、私は早坂くんを好きになったんだね

「どういたしまして」




今は感謝の言葉しか思い付かないけど、いつか早坂くんには精一杯愛の言葉を送るよ



――――――
早坂くんは自然と気遣いが出来て卑怯ですよ
そんなの…惚れるに決まってるじゃないですか









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