「あ、番長!」
校庭を探していると運よく番長が一人で歩いていた
「おう、モールスか」
「番長今から予定とかありますか?」
「あ?よ、予定!?ねーよそんなもん」
あれ、私変な質問したかな…?
「そうですか、よかったー」
「どうかしたのか?」
「いや、アッキーが歓迎会やろうって…あっ」
もしかしてサプライズ的なアレだったっけ!!?
しまった…言っちゃったよーどうしようかな…
……ま、いいか!!
「歓迎会…な」
「どうかしましたか番長…もしかして嫌でしたか?こういうの」
あわわ…どうしよう番長が歓迎会好きかどうかくらい調べるべきだった!
「いや、そういう訳じゃねぇけど」
「けど?」
「本当に歓迎されてるのか?」
「…え?」
「まあ俺も番長だしな、いつか俺が風紀部に入部したってのも広まるだろうし、厄介者じゃねぇか」
何言って…
「モールスも始めは反対だったしな…俺は地味にくじけそうだったぜ…!」
いや、あれは…
「もう!何弱気言ってんですか、番長らしくないですよ!というか別に反対してた訳ではないですし、番長は別に厄介者じゃないです!たとえ番長を狙って来たとしてもその時は私が守ります!!」
「…!」
「そりゃあ番長が入部するとか言い出した時はびっくりしましたよ、黄山に行くためにそんな簡単に入部決めていいの!?って…でも違うんですよね?ちゃんと理由あるみたいだし、よく考えれば普段から入部届持ち歩いてる訳無いですもんね」
「まあ、あの時はもう入部することは決めてたからな」
「正直に言うと理由はなんにしろ私は番長が風紀部に入ってくれて嬉しいです」
「…っ…そうか」
「そうですよ!みんな歓迎してますから行きましょうよ一緒に!」「そうだな…」
ああ、まただ
また俺の喜ぶようなことを言うんだ
理由なんてなんでもよかった
もし、留年するということが俺の運命だったとしたら、神様がくれたこの一年をお前に捧げるのも悪くないと思ったんだ

「あ、桶川先輩!」
「おう」
パン パパン
「「「桶川先輩風紀部にようこそ!!!」」」
「…っあ」
「ほらね、全然そんなことないじゃないですか!」
「…ああ、そうみたいだな」


これは俺の我が儘でしかないが、どうかこの一年がお前にとって大切なものになりますように
そして
「番長、食べないんですか?甘いクッキーもありますよ!」
「モールス、どれが甘いやつなんだ?」
「桶川先輩!これとか激甘っス!」
俺の気持ちを伝えられますように



――――――
本誌ではまだ黄山戦ですが、桶川さんの入部は突然だったのでアッキーが歓迎会しましょうよー!とか言い出しそうですよね
桶川さんっていつ自分の気持ちに気付くんでしょうね








人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -