「シャチ…華を連れて何をしてる」

「…伊佐「華に聞いてるんじゃない、シャチに聞いているんだ…」
「さあ、言ってみろよ…お前が今何をしてるのか何をしようとして「伊佐奈さん!!」
「…どうした?」
「私は!……サカマタさんとここを出ます!!」
「…なに?」
ぴくりと眉が動く。
「私は動物園に帰ります!」
「…何言ってるんだよ、華は俺と一緒にいるんだ、そんな事許さない」
ぎりぎり歯ぎしりをする程の怒りが伊佐奈に宿る。
「そんな事、あなたの我が儘じゃない!」
「俺には華が必要なんだ!なあ、わかってくれるよな…?」



「私はあなたがわからない!あなたは私をわかろうとしなった!!」



ぼろぼろと涙が零れる。よくわからない感情がぶくぶくと沸き上がってもう抑えられなくなっていた。

「私はずっと動物園に帰りたかった!なのに!!私は綺麗な服も装飾品もそんなお金だけかかったものなんていらない!私はみんなといられればそれでいい!!!」


「は…華…」
「…終わりだな、館長」
「………殺す…シャチ……!!」ぐわり、伊佐奈のコートが宙を舞う
「伊佐奈さん!!!」


コートがぴたりと止まる、時が止まったかのような。伊佐奈も華の方を見て固まったままでいる。



「サカマタさんに手を出さないで下さい」
その目は冷たく冷めていた。
嗚呼、これは、この目は……

「うっ……あああ、ああああうあああああああ」
伊佐奈はいきなり絶叫し始めた。悲鳴の方が正しいのかもしれない。壊れたように、意味のない言葉を吐き出して、元々壊れていたのにこれ以上どう壊れるのか。


「行くぞ」
「……はい」






華!行くな、行くなよ!置いて行くな!俺を、俺を一人にしないでくれ……!


「は………な……」
伊佐奈は膝を付いて悲鳴をあげる、しかし遠ざかっていく二人にその悲鳴が聞こえているようには見えない。










「…どうした」
「すいません…何でもないんです……」
華の目からは一筋一筋と涙か流れ落ちる。





伊佐奈さん、     。




――――――
長くなりました。
サカ→華←イサです多分。
華を監禁すれば自分のことを見て貰えると独占欲の塊のような伊佐奈とストックホルム症候群になったか、なってないか華と見兼ねたサカマタの恋の三角関係。
イサ華でまたストックホルム症候群ネタはまた書きたいです。




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