とある日、薄暗い華の閉じ込められた部屋に訪問者が訪れた。







サカマタだ。




「…シャチ」
初めての伊佐奈以外の訪問者に驚くが、華は冷めていた。
可笑しな現実に。


「俺の名はサカマタだ、以前にも名乗った筈…嗚呼、あの時は動物園の園長に邪魔されたんだったな」
サカマタは冷静でいる。
「サカマタ…さん、一体何しに来たんですか」
私が閉じ込められているだけで何もありませんよ、冗談を言っているのに顔は笑っていない。



「お前を連れ出しに来た」




「……!!な、何を言っているんですか…!そんな訳ないでしょ…そんな事何の意味があるんですか、あなたには何も良い事はないですよ…!!」
「そうかもしれないな」
「じゃあ、出てって下さい!伊佐奈さんに殺されちゃいますよ…!!」
「それなら、この部屋に俺が踏み入れた時点で殺される、同じことだ」
「それならなんで!?なんで来たんですか!!」
「お前を助けに来た」




「…助けにってどう助けるって言うんですか」
「そんなの力ずくに決まっているだろ」
そう言うとサカマタは檻に噛み付き、華を取り出した。
みるみるうちにぐちゃぐちゃになっていた檻は元に戻った。
「ほら、行くぞ」
華の腕を掴み颯爽と部屋を後にする。




サカマタが進む先には伊佐奈か立ちはだかっていたのは言うまでもない。










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