ピエロはピエロのままで



志久万さんのことがばれた、あのブスと新入りに。
だからばらせないように、ブスを拘束してみた!
新入りはこいつを人質に取ってしまえば、何も出来ないから楽だな。
あとはあの兎の呪いをかけられた奴ら共は、ロデオが何とかするんだよな!?
まあそれは置いといて、ブスを見に行こう。

道乃家は自分のテントからそうかからない場所にある一つのテントに入っていく。
すでに光が灯っており、はじの方に華がいる。
華は、手首を後ろに回した状態で縛られ、口も叫ばないようにガムテープを貼られている。少し悲しい顔でへたばりこんでいた。

「よー!ブス!体調はどうだー!?」
「ひひはへはひへほ(いい訳ないでしょ)!」
「そうか、すこぶる不調か!なら剥がして欲しいか?そのガムテープ」
こくこくと頷いた。
「じゃあ叫ばないって約束出来るか?守らないとぶつよ?」
また、こくこくと頷いた。
ビリリ…口からガムテープが剥がされていく。
「…ふぅ」
「案外冷静だなぁブス!」
「…あの、ロープも外して貰えませんか?」
「だめに決まってんじゃん?」
「そ、そうですよね」
「てめぇはうちのサーカスの秘密を知っちゃったからね、そう簡単に帰す訳ないだろ!」
「…ですよねー」
華の目頭が熱くなる。
「泣き落としは効かないぜえ!?俺は道化だからなぁ!」
「泣きません!私は飼育員ですから」
「へえ、威勢かいいのは変わらねえなあ!まあでも、無駄だぜ!?」
ニヤリ、道乃家が微笑む。
「てめぇは一生離してやらねぇよ!!!」
テントの中には絶望と道乃家の声だけ響いた。




これが歪んだ愛ならば、俺自体が歪んでいるとのだろうか


――――――
道華は道乃家が歪んでいます。拘束とかする。
手荒い真似もする道乃家さんと折れそうな華。


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