好きになるなんて




そう、今までは全くそんな認識はなかった。
人間、伊佐奈に気に入られた可哀相な女、その程度だった。


嗚呼!こんな気持ちは全ては伊佐奈のせいだ。



伊佐奈は動物園の飼育員、蒼井華を気に入ったらしい。
蒼井が頻繁とはいかないものの、水族館に出入りするようになったて伊佐奈は少しすつ変わってきている。
俺達に対してはそうでも無いが、蒼井に対しては違う。恋と言うものか、俺には分からない感情だった。



蒼井華を館長室まで連れて行くながいつの間にか俺の役目になっていた。でら面倒くせぇが館長命令だ、仕方がない。


「サカマタさん、今日はどこ見ましょうか!」
蒼井華がニコニコしながりついて来る。
「今日は甲殻類ゾーンだ」
水族館の館長と言う仕事のは忙しい。この丑三つ時水族館は特にそうだ。朝から深夜まで営業し、自分の時間なんて殆ど無いに等しい。
そんな館長だ、蒼井と会う為の時間が出来るまで俺には蒼井華の面倒を見なければならない。こいつは少し目を離しただけで迷子、何も無い所で転ぶ。

「へぶっ」ズドン
ほらまた、何も無い所で転んだ。「でら忙しい奴だな」
手を差し出すとありがとうございます、と手を握り返してくる。でら温けえ。人間の手は、こんなにも温かいものだったか。
「早くしろ」
「ありがとうございます!」
変わらずニコニコする蒼井。


嗚呼、俺に向けて笑うな!俺に話しかけるな!ある筈ないのに、勘違いしてしまいそうになるから。


華は相も変わらず隣でニコニコ水槽を覗いている。


恋なんて知らない。
「でら迷惑だ」
「え、何か言いました?」
「…何でもない」




嗚呼、君に恋をしてしまったようだ。


――――――
イサ華←サカです。
サカ華は何だかテンションがあがります。何でだろ、サカマタがイケシャチだから?
サカ→華はイサ華、イサ→華前提とかがおいしいです。サカマタさんんんんん!!
「でら迷惑だ」は、言わせたかっただけです。



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