「さみぃ…」 何なんだ、この寒さ。寒すぎる、寒すぎるだろ。 でも、雪は好きだ。 「ばあああああんちょおおおおおおおおおう!!」 見慣れた面影が近付いてきた。「モールスか」 小さくて、ニコニコしてて、ああ貴女は、 「番長!おはようございます!!」 「おう」 「今日、寒いですねっ!」 「ああ…寒くて朝起きちまったよ」 「雪なんて積もっちゃいましたねっ!」 「それで朝からこんなに寒かったんだろうな」 今日はモールスのテンションが一段と高い。 「…番長は、」 急に静かに話し出した。 「あ?なんだ?」 「番長は雪、嫌いですか?」 神妙な顔してそんなこと言うから、何だか可笑しくて笑いそうになった。 「寒いな」 モールスは、ちょっと悲しそうな顔をした。一喜一憂が分かりやすい奴だ。 「でも嫌いじゃねぇ」 ぱあっと、またニコニコと笑いだした。 「じゃあ雪合戦しましょう!早坂くんも待ってるんです!!」「おう、わかった」 モールスは笑顔で雪道の中、元来た道を走って行く。 「早く!番長ー!」 「…おう」 ブランドグランドに舞い降りた冬の神様は、小さな世界をあっという間に白い世界に変えた。そんな世界に太陽が微笑んで、私の体中を温もりが包む。 ああ貴女は、まるで冬の寒さも吹き飛ばしてしまう太陽のよう。 だって貴女がいるだけで、温かい。 ―――――― 桶川さんのポエムなんか書けないと思った。 でもポエム好きです。 詩とか小学生の頃から。 |