僕と性別

「レンヤさん!」

「レンヤでいいですよアルバさん、どうしました?」

アルバさん達のパーティーに入ってから早2日、いつも通り町を歩いていた。
出会ってから2日しか経っていないのに、アルバさんは僕に引っ付いている気がする。

「いや、レンヤって何かあったかくて...」

「そ、そうですか...?」

ぎゅうぎゅう抱きついてくるものだから、何だか恥ずかしい。
周りの人が好奇の目で見てくるので、顔に熱が集まるのがわかった。

「あ、アルバさん...!」

抱きついてくる彼の案外薄い胸板を押すと、不思議そうに見つめてくる。
可愛いなぁ...じゃなくて!

「あの、人前で抱きつくのは、ちょっと...」

「えっ、何で?」

首を傾げるアルバさんには、羞恥心というものが無いのだろうか。

「は、恥ずかしい、ですから...」

アルバさんを見上げて言うと、なぜか顔を赤く染めていた。何故だ。

「そうだよアルバさん!レンヤさんだって女の子なんだからね!」

ルキちゃんがそういうと、アルバさんと何故かロスさんが固まった。
ああ、ロスさんの手から焼きそばパンが落ちそうになっている...!

「え、レンヤ、女...!?」

「そうだよ、ほら!」

そう言って、どういう原理なのかルキちゃんの手が伸び、僕の被っている帽子をとった。
中にしまっていた髪が、ストンと落ちる。

「あっ、帽子...」

「ね、女の子でしょ?」

えっへん、と言って胸を張るルキちゃん。
それと同時に、一気に真っ赤になるアルバさんとロスさん。

「レンヤ!ごめん!本当ごめん!!」

「あ、あの、別に気にしてませんから、ね?」

「ほら、だから言ったじゃないですか、ドジっ娘だって」

「まだそれ引きずるの!?」

よくわからない会話に戸惑っていると、ロスさんに呼ばれた。

「魔導師さん魔導師さん」

「は、はい...っ!?」

「あ、本当にあったかいんですね」

気づいたら目の前は黒い布で、ロスさんに片手を掴まれて抱きしめられていた。

「えっあ、あの、ロスさん...?」

「それに、何かこう、柔らかくていい匂いが」

やっぱり女なんですね、なんて言われてしまって。
触れているロスさんの胸板がゴツゴツしていて、恥ずかしくて仕方が無いのに、腰に手を添えられていて抜け出せない。

「あと、帽子被らない方が似合います、ズボンもスカートにした方が...」

「ちょ、戦士...でも確かに、ズボンよりもスカートの方が似あうかも」

「私もそう思うよ!今から買いに行こう!」

「えっ、あの...」

話について行けなくて、よくわからないまま手を引かれる。
何が何だかわからないけれど、それさえも心地よく感じる自分がいた。


まるで子供のような人達

mae ato
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