戦勇。 | ナノ
学パロスさん

部活が長引いて、黄昏に染まった帰り道。
今日は午前中に雨が降ったからか、ワイシャツが肌に張り付いて気持ち悪い。
いつも通りに部長をいじったり、ルキと話したりして別れる。
一年間で最も憂鬱な季節、梅雨がきたばかりなのに、7時をまわってもまだ明るい。
梅雨だなあ、とそのままのことを考えてみたりして、長い帰路を歩き続ける。

「っ、おっと・・・」

T字路に差し掛かった時、突然左から飛び出してきた自転車にぶつかりそうになった。
避けられたものの、ふらついて倒れそうになる。
でも、そんなことより気になったことがあった。

「・・・ここってT字路だったよな?」

自分が歩いてきた方向から真っ直ぐに行く道と、その東側・・・俺から見たら右側にある道で、T字路は構成されているはず。
三年間通っている道だから、間違えるはずがない。
不思議に思ったので、民家の塀と植木の作りだした緑の壁を観察し始めた。


「あった・・・!」

木の葉や野草が生い茂っている中に、自転車がギリギリ通れる位の道を見つけた。
光が射す道がオレンジに染まって、何だか懐かしい気分になってくる。
何の疑いもなく歩き出すと、思ったよりも長いらしい。

塀の上で、猫が鳴いた。


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長いので、次のページに続きます

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