■四ページ目
「はい、千鶴ちゃん――
あーん して」
金平糖をひとつ取り、口元へ寄せられたため
驚いて千鶴は「ぎゅう」っと目を瞑ってしまった。
「沖田さん!一体何をっ」
「両手ふさがっているから
食べさせてあげようかと思って――」
いまだに、目を閉じたままの千鶴に対して
沖田は金平糖を自分の口で銜えた。
「で、でも///」
「近藤さんが――
一緒に食べるようにってことでしょ」
千鶴は、恥ずかしいので目を閉じ
しかし小さく口を開けたまま――
重なる影に気づかないまま、
― 千鶴ちゃんが気付くまであと5秒 ―