体育用具室のかび臭いマットから埃がたって、げほっと桜井がむせた。宥めるようにマットに桜井を押し倒している青峰が背中をさする。
「っ、ひっ」
青峰が動いた拍子に中を貫く熱が微かに動いて、苦しげな悲鳴を上げた。離れようと腕を突っ張るも、桜井と青峰とでは力の差は歴然で、簡単に引き戻されてしまう。
また深く、抉られた。
「ぁっ……っ、ゃっ、だっ」
「我慢しろって」
まだ俺イってないんだからよ。
耳元で淡く囁かれてぞくりと鳥肌が立った。ぎち、と青峰が動きを再開させる。
「っ、んっ、っあ!」
ドクン、と体が跳ねた。ぱたりと腹に飛沫が飛び散り、桜井はとうとう泣きだした。ふぇっ、と情けない声で嗚咽を漏らす彼に呆れたようなため息をついたのは、これでもう何回目か。
「お前さ、やる度に一々泣くなよ」
「っ、ふ……だっ、て……」
「これじゃ強姦してるみたいだろうが」
前科があるのであながち間違ってもいないが。
「だって、僕ばっかこんな……」
顔を真っ赤にしてぐすぐすと泣く姿は、正直鬱陶しい。どうせなら泣き声よりも嬌声の方が聞きたくて、青峰は無理に腰を進めた。
「ひっ、やっぁ!」
「……お前、そっちの声で啼いてる方が絶対いいって」
急に動かれたからか、甘ったるい悲鳴を上げてしまった桜井はさらに羞恥を募らせて涙を流す。
ぎちりと腰を抱え直して、嗤った。