鎖骨にちゅ、と吸いつくと細い体はびくんと大袈裟に跳ねた。白い肌にぽつぽつと散る朱色を点々と増やしていく。会長、濡れた声で呼ばれてちらりと顔を上げると涙の浮かんだ瞳で俺を睨みつける颯斗と目があった。恐れと、羞恥と、それと快感に苦悶の表情を浮かべる彼は綺麗で、可愛い。と思う。
肌蹴たシャツの合間から胸をまさぐった。すぐに見つけた突起をそろりと撫でると颯斗の口からは細い、悲鳴のような声が上がる。ゆるゆると表面だけを撫でるようにすればそれは段々と硬くなり、薄紅色に染まる。びくびくと微かばかりの愛撫に震えるその部分に吸いついた。

「っあ、んっ……!」

しっかりと噛み締めていたにも関わらず唇から飛び出した声は思いのほか大きく室内に響いた。それにかぁぁ、と顔を赤らめる様がまた可愛くて、今度は歯を立ててやる。

「っぃ、ゃっ……」

濡れた鳴き声とともに颯斗の眼が見開かれた。そこに浮かぶ色は懇願、もうやめてと言外に訴えてくる。それに気付かないふりをしてまた軽く歯を立てた。歯で扱くように挟みその弾力を楽しむ。触れていないもう片方は快感で微かに色を濃くしていた。爪を立て、強めに抉ると今度は確かな悲鳴が上がる。

「っあぁっ、ひっ、っぅ……」

ぼろり、涙がこぼれた。かいちょう、もうおねがいだから、やめてと続くはずだった言葉を唇ごと飲み込む。華奢な体は抵抗さえも小さく、そのまま両手をシーツの上に縫いとめた。
好きだ、と告げた。大事にしたい、とも思っている。けれど、それだけでは足りない。

「あっ、あぁっ……」

繋がって、体の奥まで暴いて、熱と快楽をすべて共有しても、おそらくこの獰猛な飢餓は満たされないだろう。
例え彼をこの身に取りこめたとしても、充足は得られない。

愛と呼ぶには、この感情は凶暴すぎる。





091224






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