これからも



「雲雀さーん」
「…」
「ひっばりさーん!」
「…」

無視ですか!
さっきから何度も何度も呼びかけているのに反応してくれない!
何が気にくわないのか、不貞腐れた顔をして書類に目を通している。
くっそーーー!こうなれば、意地でもこっちを向かしてやる!

「ひばっちー」
「…」
「ひばりーん」
「…」

こうなれば奥の手だ!

「恭さん」
低い声で某リーゼントさんをまねて言ってみた。

「…何、君そんなに咬み殺されたかったの?」
「いいいいいいえ!めっそうもございません!」
こっちを向かせるという作戦は成功したが、トンファーを持って近寄って来る雲雀さん。
え、私咬み殺されちゃうの!?

「ヒバリヒバリ」
突然可愛らしい?声が聞こえた。
「あ!ヒバードだ!!!」

ヒバードはパタパタと羽ばたいて雲雀さんの頭にとまった。

「雲雀さん雲雀さん、ヒバード、触りたいです!」

雲雀さんは私の言ったことに驚いたのか、一瞬フリーズして無言で目だけを上へと向けた。
すると、ヒバードが飛び立ち私のもとへ飛んできた。

「か、かわいい…!」
もふもふしてて気持ちがいい!
ずっと触っていたらパタパタと雲雀さんのところに飛んでいった。
「あ…」
雲雀さんの頭に乗ってつぶらな瞳をこちらに向けている。
…かわいすぎる

「ヒバードは雲雀さんによく懐いているんですね。」
「…ねぇ、名前は何で僕のこと名前で呼んでくれないの?」
「え…」
「あの草食動物たちのことは名前で呼んでいるのに」
不貞腐れたように言う。
機嫌が悪かった原因はこれか…。

草食動物たち…ツナ君たちのことか…
てか、ヤキモチですか

「えっと…ヤキモチですか?」
「…」
いや、だから…トンファーをちらつかせないでください!切実に!

「ねぇ、何でなの?」
「…何ででしょうね…?」
「ふざけてるの?」
「ふざけてませんって!…本当に何ででしょうね…」
なんでだろ…みんなが雲雀さんって呼んでるからかな?
「じゃ、これから僕のこと名前で呼んでよ」
………ん?
「えっと…」
恭弥くん…は限りなくおかしい…
「恭ちゃん…?」
「却下」
早!!てか、却下もあるんだ…

「恭弥…さん?」
「呼び捨ては無理なの?」
「むむ無理です!」
私はそこまで神経図太くないですから!
「じゃ、それでいいや」

「なんか…新婚さんみたいですね」
「…何が?」
「えっと…呼び方が…」
「…」
私から顔を背ける雲雀さん…じゃなかった恭弥さん。
耳が赤いですよ。



10年後、私は純白に包まれていた。隣には純白に包まれた恭弥さん。
群れるのは嫌だからと二人だけの結婚式。
私たちの新しい生活が 始まる。





これからも ずっと ずっと



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