3 「あの、柚さん…」 「なに?」 「今日、俺ん家、親が旅行で居ないんですけど…良かったら遊びに来ませんか?」 ついに言ったぞ…! 朝からいつ言おういつ言おうと考え、やっぱりまだ早過ぎるかな、今日はやめとこうかな、とそわそわしていた俺だったが、我慢できなかった。 生徒会長と柚さんの会話を目の当たりにしてしまい、恥ずかしながら俺はかなり焦りを感じていたのだ。 もちろん、柚さんが会長を好きなことは知っている。でも、最近段々と俺に傾いて来てくれているような気がしていただけに、またあちらに傾かれては困るのだ。 できるならば身も心も俺のものにしてしまいたい。 柚さんは少しだけ考える素振りをして、にっこりと俺に微笑んだ。 「うん。行く」 俺の誘いに乗ってくれた柚さんは、ちゃんと俺が何をしたいのか分かってくれていたみたいで、俺の部屋で会話が途切れた瞬間を見計らって柚さんにキスをしたらそれに応えてくれた。 こんな可愛い人にガツガツして嫌われるのが怖くて、いつもは軽いキスをするだけだったが、今日は気持ちの高ぶりもあって濃いめのやつを仕掛けた。一瞬驚いたような柚さんだったけど、それにもすぐに反応して俺の舌に自分の舌を絡めてくれる。 幸せ過ぎて、ドキドキし過ぎて、なんかもうこれだけで死んでもいいなんて思ってしまう。 でも駄目だ。俺は柚さんと1つになるまでは死ねない。なんとしても生きてみせる。 謎の生命力に満ち溢れた俺は、ドサっと自分のベッドに華奢な柚さんを押し倒した。 「柚さん…好きです」 柚さんの大きく黒目がちな瞳が俺を見上げる。あの柚さんが俺の腕の下にいるなんて夢みたいだ。それこそ、何度も夢で見た光景。現実はもっともっと俺を高揚させ、興奮させてくれる。 柚さんの噛み付きたくなるように細く白い首筋にキスを落とすと、柚さんがふふ、と笑う。 「くすぐったいよ、純希くん」 「あ…すみません」 「ねえ…もっと、キスしよう?」 「はいっ、…ん」 返事し終えるかし終えないかのタイミングで、下から柚さんの腕が伸びて来てぐっと引き寄せられた。 俺はもちろん抵抗することもなく柚さんとキスをする。 今度は柚さんから舌を入れて来てくれて、歯茎や上顎をなぞった。口と口の隙間が開かないほど密着して、少し激しいキスに呼吸のタイミングを見失いそうになる。 柚さん、キスうまい… 腰砕けになりそうな程気持ち良いキスに、目がトロンとなったとき、気付くといつの間にか柚さんが俺の上に来ていた。 あれ? …あ、もしかして柚さんがリードしたい、のかな。 勝手に俺がリードしなきゃ、と思っていたが柚さんはそういえば年上だ。そういうの気にするのかもな、と気付く。 柚さんが俺の上に来たことによって、柚さんの股間が布越しに触れる。まだ一度も触ったことはないが、固い感触に心臓がドキドキした。 柚さんが俺相手に勃ってるなんて。こんな嬉しいことあっていいの?これ、夢じゃないよな? 頬をつねりたくなる。つねれないけど夢じゃないよな。 柚さん、ほんと大好き! 「柚さん…、俺、柚さんの舐めたい。舐めていいですか…?」 上目遣いで尋ねると、柚さんは静かに微笑んだ。 「いいよ。でも僕ちょっと恥ずかしいからそれ以外触らないように腕、結んでもいい?」 腕? 確かに他のところも触りたいのは事実だ。でも恥ずかしいというなら仕方ない。 俺は言われた通り素直に両腕を差し出した。柚さんは自分のネクタイを外して、俺の腕を頭の上でギュッと一纏めにすると、そのままヘッドフレームに括り付けた。 「あ…、そこまで、するんですか?」 「一応ね」 そう言いながら柚さんは自分のベルトを外しチャックを下ろしていきり立った自信を俺の顔の前に持って来た。 「お、おっきい…」 これが柚さんのか…。 柚さんの可愛らしい見た目に反して、凶暴さを感じるサイズにゴクリと喉が鳴った。ギャップにエロさを感じて、我慢できず目の前のものをパクリと咥える。 大き過ぎて根元まで咥える事ができないのが残念だが、柚さんのを口に含んでるという幸福感に快感さえ覚えて夢中になってしゃぶった。 喘いでくれるかな、なんて期待したけど、柚さんからは何も聞こえない。 今どんな顔をしているのか不安になって目線を上に上げると、いつもとは違う顔がそこにはあった。 いつものように微笑んでくれているか、声を我慢して唇を噛み締めているかのどっちかだろうと思っていたのに柚さんはそのどちらでもなく、ただ無表情で俺を見下ろしていた。 柚さん、もしかして気持ち良くない…? 男のなんて舐めたことないから、上手くできていなのかも。 自分がされたら気持ちいいだろうなと思うことをそのまましているけだけだから、よくわからない。 俺と目が合うと柚さんはようやく、目を細めて微笑んでくれた。 「純希くん、上手だね」 そう言われて頭を撫でられた。 良かった。ちゃんと気持ちいいんだ。この手の解いてくれたらもっと上手にできるんだけどな…お願いしてみようかな。 一度口を離そうとしたら、頭を撫でていた手にグッと力が込められた。 「…純希くん、僕もちょっと動いていい?」 それはもちろん!俺の口好きなように使って下さい、という思いを込めてコクコクと頷いた瞬間、柚さんのが一気に喉の奥まで侵入してきた。 「ンンッ…!?」 突然の喉奥を抉られるような感覚に呼吸ができない。 AVで見たような行為に、よもや自分が女側をするとは思わず驚いてしまった。これ、イラマチオってやつだよな? 遠慮なく喉の奥に当たる圧迫感に、堪らず嗚咽が漏れる。唾液が口の端から溢れ、喉使うのってこんなにキツイんだ、と涙目になるが、柚さんが気持ちよく動けてるなら全然平気だ。むしろ嬉しい。 「純希くん、このまま、いい?」 返事はできないけど、可能な限り頷いて見せると、柚さんは笑って俺の喉の最奥で果てた。 最初から吐き出すつもりなんてこれっぽっちも無かったが、流し込まれるように柚さんの精液を飲み込む。甘いなんてことは言わない。もちろん苦いけれど、俺にとってはものすごく甘美なご褒美に思えた。 口から抜き取られそうになったので、無意識に吸い取るように動く。そんな俺の頭を柚さんが再び優しく撫でてくれた。 「お掃除までしてくれるの?純希くんはいい子だね」 柚さんに褒められた! 嬉し過ぎて俺がもし犬だったら今確実にウレションをしているだろう。 柚さんがそんなことしなくていいのに、俺の汚れた口回りを拭き取ってくれた。 「ん、柚さんの美味しいから」 「苦しく無かった?大丈夫?」 「全然!柚さんが気持ちいいなら俺はなんでもやります!」 「……純希くんももういっぱいいっぱいみたいだね」 柚さんのすらりと細くて長い指が俺の膨張した股間に触れた。 「今度は僕にやらせて?」 首を傾げてそう言われて、俺のドキドキは最早最高潮だ。 柚さんが体が俺の足と足と間に入り、ベルトを外されてパンツもろともズボンが降ろされた。 あっ、そんな一気に脱がすんですか。これじゃ柚さんに全部見られてる事になる。どうしよう。 今更になってものすごく恥ずかしくなってくる。 「純希くんの、可愛いね」 「柚さんのが立派過ぎるんです!」 そりゃあ、柚さんのに比べたら俺のなんて子供サイズに見えるかもしれない。ちょっと悲しくて拗ねたように言うと柚さんは笑って俺のをペロリと舐める。 「舐めやすくていいよ」 それって褒め言葉? フォローにしてはプライドにグサリとくる言葉選びだ。 | novel一覧へ | |