小説 | ナノ


(杏奈様へ/青黄)


前略、
大好きな黄瀬涼太へ。
俺はお前が大好きです。


「…っなんスかこれぇ…!」
青峰っちに貸していた教科書。
その余白に、一文。
書かれていた、その言葉。
それに、授業中だというのに俺は赤面する羽目になった。

青峰っち…青峰大輝と付き合い始めて半年と少し。
青峰っちの愛は、時には重く感じるほどまっすぐで大きくて。
もちろん俺も、青峰っちが大好きで、大切で、特別で。
それはもう、神様に誓ってもいいくらいに。

元々集中なんかしてなかった授業は、青峰っちの言葉で完全に意識の外。
思い出すのは、初めて会ったとき。
あの人のすごいバスケに、すぐに夢中になった。
初めて話したときにはもう、俺は青峰っちを好きになってて。
妙によそよそしくなってしまったの、よく覚えてる。
あれからいろいろな事があって。
時には喧嘩もしたし、泣かされた回数も少なくない。
…でも、それも全部、俺達が繋がるための過程で。
それを全部乗り越えて今がある。
それは、本当に信じられないくらいの確率で。
…この広い世界で、青峰っちと出会って恋をして、今隣にいるのも奇跡で。

余白に、俺も小さく紡ぐ。

俺も、青峰っちを愛してるっス。

次に彼が教科書を借りたら、同じように思ってくれるだろうか、と。

…これから先、色々な困難があるだろう。
でも、笑って泣いて怒って、全部の感情を感じていきたい。
青峰っちの隣で、ずっとずっと。

願わくば。
おじいちゃんになっても、愛を紡ぐ唄を歌えなくなっても。
しわしわの手を、ずっと握っていられますように。

とある二人の愛の唄
(それが、俺の生きる意味)

20120610

♪愛唄/GReeeeN


杏奈様に捧げます!
利央の中の人が歌ってるこの曲にハマりすぎた結果がこれだよ!
ほのぼのと言い張る。
こんなタイトルですが別に科学と魔術は交差しない。



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