小説 | ナノ


3rd Anniversary & Midorima's Birthday!

(緑黄)

※本人たちは出てきませんが、青桃が結婚している描写があります。

盗み聞きするつもりじゃなかった。ただ、ベランダの鉢に水をやり忘れたのを思い出したのだ。
うちの2LDKは角部屋で、リビングと寝室から出られる大きなベランダの他、客間にも小さなバルコニーがついている。
その大きな方に霧吹き片手に出た俺の耳に、届いてしまったのだ。

「――結婚しようと思っているのだよ」

俺を切り裂くような、その言葉が。

(……結婚?)

緑間っちと俺は恋人同士だ。
高校一年のときから付き合い始めて、同じ大学に進むと同時にこのマンションを買い、一緒に暮らし始めた。
学部は違うもののキャンパスは同じところで、講義の時間がかぶると一緒に行ったりして。
中学時代の仲間たちをはじめ、信頼できる人にはこの関係を告げ、色々思いはあるだろうが祝福してもらって。
卒業してからは、大学に残ってお医者さんになるための勉強を続ける緑間っちと、大学時代はバスケと両立するために減らしていた芸能界の仕事を増やした俺はすれ違うようになって、少し寂しかったけど、ちゃんと愛されているのは分かっていたから幸せだった。
今年は、ついに医師免許をとってそのまま大学病院で働き始めた緑間っちはさらに忙しくなって、ますます一緒にいる時間は減ってしまったけれど、一緒にいられる夜に同じベッドで眠れるだけで満足だった。
――てっきり、緑間っちだってそう思ってくれていると思っていたのに。
“結婚”
聞き間違えじゃない。緑間っちの言葉を、俺が聞き違うわけがない。
電話の相手は分からないけれど、あんなにはっきりと宣言するってことは、とっくに決心していることなんだろう。
そして――どう足掻いたって、その相手は俺じゃない。
いくら俺が馬鹿だって分かる。ここは日本で、俺も緑間っちも日本人の男。入籍なんて不可能だ。
ついこの間、青峰っちのお嫁さんになった桃っちみたいに…お互いの親に紹介し合い、綺麗なドレスで豪華な式を挙げ、同じ苗字になることは、どうやったって俺たちにはできないんだ。
それでもいいと思ってた。そんな形だけの契りなくたって、もっとあたたかくて大切な繋がりがあるから。
(…でも、緑間っちは違ったの?)
そう思っていたのは俺だけで、緑間っちはずっと、ごく普通の幸せを望んでいたのかもしれない。
俺なんかより、小さくてかわいらしくて優しくて、堂々と隣で歩いていける伴侶が欲しかったのかもしれない。
いつから、そんなふうに思ってたんだろう。もしかしたら、最初っからずっとかもしれない。
――緑間っちの中には、俺以外に、もう大切な人がいるんだろうか。結婚を考えるような、心から愛する人がいるんだろうか。
(…俺は、もうあんたに、愛されてないんスか…?)
――その子の優先順位は、もう俺よりも上なの?…帰ってこない日は、仕事なんかじゃなくて、本当はその子と一緒にいるの?
全部、俺の妄想でしかない。けれど、回る疑問が涙を生む。
昔、俺に告白してきては振られて泣いていた女の子たちを馬鹿にできない。…好きな人が自分を見ないことがこんなに苦しいなんて、全然知らなかった。

「…黄瀬?」
その後も電話を続けていた緑間っちだけど、いつの間にか終えていたらしい。
気付いたら、彼はこちらのベランダ、俺の隣に移動してきていた。
しゃがみ込んでくすんくすんとみっともなく泣いていた俺は、呼ばれた名前に反応して顔を上げる。
そんなにひどい顔をしていたのか、緑間っちは驚いたように言った。
「ど、どうしたのだよ!?どこか具合が悪いのか?」
「え、あ、違っ」
「じゃあ、仕事で何かあったか?」
なかなか止まらない涙に、緑間っちはいつになく慌てた声で俺のことを気遣ってくれる。
バスケをしていた頃のように爪を気にしてテーピングなどはしていないものの、相変わらずきめ細やかな彼の左手が、俺の頬をそっと撫でた。
触れられるのは大好きだけど、今はどうしたって、それを喜んで享受なんてできない。
この手が、顔も名前も知らないどこかの女に、同じように優しく触れたのだと思ったら。
もうすぐこの手の薬指に、誰かとの契りの証である指輪が嵌められるのだと想像したら。
どんなときでも俺を落ち着かせ、安心させてくれてきた手のひらが、とても残酷なものに思えた。
「黄瀬、言わなければ分からないのだよ」
ますます泣いてしまう俺の頭を、緑間っちは困ったように撫でる。
(…もう、やめてほしいっス。これ以上…)
「き、」
「き?」

「期待させないでほしいっスぅぅ…」

尻すぼみになってしまった言葉に、緑間っちは首を傾げた。
(…あ。そういえば盗み聞き…っ)
「や、やっぱりなんでもないっス…」
「そんなわけがないだろう。目が泳いでいるのだよ」
とりあえず、風邪を引くから中に入るのだよ。そう言って、緑間っちは俺の腕を引いた。
その手は優しいけれど、どこか俺を逃がさない、っていうような力強さをはらんでいて、思わずたじろぐ。
そんな瞳で見られたら、俺はきっともう、隠せないんだ。


「……なるほど」
俺の前にココアを、自分の前にはおしるこを置いて、ダイニングテーブルの向かい合う形の定位置に腰掛けて。
腰を落ち着けるなり早速問われた彼からの質問を、最初ははぐらかそうとしたのだ。けれど無理だった。
緑間っちは、そこらへんの記者なんかよりずっと、俺の本音を引き出すのがうまいんだから。
結局、再びぼろぼろ泣きながら、すべてを吐き出してしまっていた。
さっきの電話(聞いたところ、相手は高尾っちだったらしい)を一部盗み聞きしていたこと。“結婚”という単語が聞こえたこと。そこに、緑間っちの本音が、俺に寄り添っていないのが見えたこと。
時折何か言いたげにしながらも、急かしたりもせず、俺がすべてを言うまで待ってくれて。
けれど、緑間っちの瞳に見つめられていると、言いたくないことだけを隠すことなんかできなくて、聞かせたくない言葉まで勝手に落ちていく。
つまり。
「緑間っち、捨てないで…俺のこと、捨てないでほしいっス…」
なんて、みっともなく縋るような本音だって、全部零れてしまったのだ。
(……そんな権利、俺にはないのに)
緑間っちの幸せを邪魔することなんて、俺にできるわけない。
彼は優しくて、ずっと一緒にいたからきっと情も移っていて。だからこうやって縋ったら、憐れんだ彼が傍に居続けてくれることは分かってた。
けれど、しないって決めてた。はじめからずっと。緑間っちが俺以外の道を選んだなら、笑って送り出そうって。
なのに、いざそれに直面したら、こんなに嫌で怖いなんて。そう思うのはともかく、緑間っちにそれを知られてしまうなんて。
みっともない。情けないにもほどがある。彼の前では、最初から最後まで、綺麗でかっこいい黄瀬涼太でいたかったのに。
すべてを言い終えて俺が口を閉じても、緑間っちは一言なるほど、と言ったきり何も言わない。
静かな部屋には時計の針の音と、俺が未だ止まらない涙を拭いながらしゃくり上げる声がよく響く。
(……気まずいっス。言うなら早く言ってほしいのに)
元来よく話すたちではない緑間っちと一緒にいる中で、沈黙が苦しいなど、感じたことなかったのに。
それに、耳にするのは、やっぱり怖くもあるのに。
(……もしかして、俺が泣きやむの待ってるのかな…)
だったら、早くそれを叶えなければ。と、カーディガンの袖口で両目をくしくしと擦る。
「あっ、何をしている!明日も撮影だろう、そんなことをしては赤くなるのだよ」
咎めるように、でも優しい口調で。手首を掴まれた手も同様で、だから痛くなんてない。
それなのに、胸がチクチクと痛んで、どうしようもなくて。
しばらくしたら、その慣れ親しんだ体温に、ようやく涙が止まり始める。
緑間っちはホッとしたように息を吐いて、ココアの入ったマグカップをテーブルから持ち上げ、俺に渡してくれた。
「これを飲んで、もう少し落ち着くのだよ。話はそれからだ」
こくん、とそれに頷いて、また落ちた沈黙の中、静かにカップを傾ける。
少しぬるくなってしまったココアをちょっとだけ飲んで、テーブルに戻し、緑間っちの方を向き直った。
(…大丈夫っス。もう落ち着いたから、覚悟だってちゃんとしたから)
……いざ、彼の口から聞いたら、また泣いてしまうのかもしれないけれど。
「…黄瀬、お前はバカなのか?」
「え、なんで俺急に罵倒されてるんスか」
彼が口を開いたのに、心臓がドキリと音を立てた。
それでも、ここで逃げてしまうわけにはいかなくて。
彼の言葉を聞き逃すまいと耳を傾けていた俺を、緑間っちは確かにバカにした。
ふにゃり、と思わず力が抜ける。
「バカなのだよ。昔から知っているが」
「ちょ、ほんとなんなんスか!?確かに頭はあんまり良くないけど、そこまでバカにすることないじゃないスか!!」
「…ここまでバカだとは思っていなかったからな。…俺が、お前を捨てて、誰かと結婚するだと?寝言は寝て言え」
「ひどっ!……え?」
後半にいくにつれ小声になる緑間っちだけど、静かな二人だけの空間で、それを聞き逃すはずがない。
でも信じられなくて、聞き返す。
「緑間っち、俺を捨てないんスか…?可愛い女の子と結婚しないんスか?じゃあ結婚って…」
「…どうして普段は過剰なほど自信家のくせに、その相手が自分だとは思わないのだよ」
呆れたように肩をすくめ、緑間っちは言う。
俺は目をぱちくりさせ、彼の言葉の真意を読み取ろうとしたが、どうしたって額面どおりにしか取れなくて。…まるで、緑間っちが俺と結婚してくれるかのようにしか、聞こえなくて。
(…でも、そんなわけないっスよね)
緑間っちは確かにバリバリの理系だけど、男同士が結婚できない、なんて常識中の常識な日本の法律くらいは知っているだろう。俺だって青峰っちだって知ってるんだから。
「…えっと、緑間っち?そんなこと言われたら、俺、期待しちゃうっスよ?」
にへら、と微笑み、つとめて普通の声でそう返す。…これは、きっと分かりにくい彼なりの冗談なんだ。
心を遮断すれば、きちんと笑うことなんか、今となっては造作もないこと。緑間っちと付き合い始めた頃、まだ子供だった俺とは違う。
時は流れていく。俺だってその中にいた。緑間っちも、きっと同じだ。
けれど、…それを見た緑間っちは、中学のとき、…あまり仲良くなかったときみたいな目で俺を見た。
それは、普段向けられる恋人に対する優しい瞳とはまるっきり種類が違うもので、けれど俺は懐かしくなった。
(……緑間っちだ)
そう、これが緑間っち。これからどんなふうに変わるかは分からない俺たちの関係だけれど、緑間っちは、いつまでだって緑間っちなんだ。
「冗談、などではないのだよ。こんな冗談を言うと思うのか?」
「いやー、緑間っちらしくないとは思うっスけど…だって、結婚なんて、できないじゃん」
あぁ、やっぱりダメっすね。笑顔が崩れていくのが自分でも分かり、内心苦笑する。
止まっていた涙で、再び視界と緑間っちが潤みだす。
「俺たち、男同士じゃないスか。結婚なんてできなくたって、一緒にいられればそれでいいって、俺は思ってた。でも、緑間っちがそうした方が幸せだったら、ちゃんと、俺、」
「待つのだよ。ひとりで暴走するな」
テーブルの向こう側から、緑間っちの人差し指が俺の唇に当てられる。そうされたら、綺麗な指を噛んでしまいかねないので黙るしかない。
これは、緑間っちが俺を黙らせたいときの癖だ。――ずるいな、って思う。
「俺とお前が法的に結婚できないことくらい、俺だってちゃんと知っているのだよ。バカにするな」
(俺のこと散々バカにしといてそれ言うんスかあんた…)
「…ずっと一緒にいたい。それは俺も同じだ。たとえ胸を張って隣を歩けなくたって、俺はお前を選ぶに決まっているのだよ。――だから、それを誓いたい、そう思った」
元々(物理的に)できず、飲み込むだけだった反論が、頭から全部飛んだ。
嬉しい言葉だらけで、一気に飲み込むにはあまりに胸がいっぱいだ。…無口な緑間っちは、いつだって言葉なんかくれないから。
緑間っちは、俺と一緒の気持ちで…いや、さらにその上に、決意を積み重ねて。高尾っちに、あんなに力強く言ってくれていたんだ。
それが分かっただけで十分なのに、彼自身の口から聞かせてもらって。…こんなに、幸せでいいのだろうか、ってくらいだ。
――でも、
(本当に、…本当に、緑間っちはそれでいい?)
思い出すのは、結婚式の日、青峰っちの隣でみんなに祝福され、幸せそうに笑う桃っち。…俺は、あんなふうにはなれないのに。

「黄瀬」
頭の上から名前を呼びかけられ、色々な気持ちがごちゃ混ぜになって顔を再び俯けていた俺は、それに応えるため顔を上げる。
ふぁさ、と何か、白いものに視界を奪われた。
「ふぇ…!?な、なんスかこれぇ…!」
その状態のまま、緑間っちは何も答えず、俺の前から去ってしまったようだ。
手でいくらでも外せる、ということはすっかり頭から抜け落ちていて、去っていく足音を絶望的な気持ちで聞きながら、頭を必死で振る。
(え、え、そんなに怒らせるようなこと…)
また泣きそうになったところで、ふと、消毒薬のにおいが鼻に届いた。
同時に、その白い布が何なのか分かる。…緑間っちが病院で着ている白衣だ。
洗濯をするために持ち帰ってきて、その辺に置いといたんだろう。
そう認識したとたん、さっきまでの絶望なんかどこへ飛んだのか、薬に混じる緑間っちの匂いを探し始めるんだから、やっぱり俺はどこまでも単純だ。
再び足音が近づいてくるまで、それほど時間はかからなかった。

「黄瀬」
再び呼びかけられる。愛しげに、でもどこか真剣に。
こんなの…そう、告白をされたとき以来かもしれなかった。
「は、はい」
思わず、俺の返事もぴしっとする。
「確かに、お前は女ではない。桃井みたいになれないのは重々承知だ。しかもわがままでバカだ」
「え、ちょ」
「聞け」
再びの悪口大会に文句を言おうとするも一蹴され、後で文句を言ってやろう、と決意をして口をつぐむ。
「けれど、俺はお前を選んだ。離れようなどと、一度だって思ったことはない。…それから、」
緑間っちの片手が、俺の頭を押さえる。もう片方が、白衣の前側に垂れた部分を、ゆっくりと持ち上げていく。
開けた視界、少しの身長差からちょっとだけ見上げるようなかたちで、微笑む緑間っちが映った。
その動きは、まるで。
「――お前は、どこの誰よりも綺麗だ」
花嫁のヴェールを上げる花婿のように、見えた。

「泣きすぎなのだよ…本当に、後でちゃんと冷やさないと、明日の撮影がどうなっても知らないのだよ」
「だってぇ、緑間っちがずるいんスもんー…」
再び溢れた涙に、緑間っちは呆れたように言う。
けれど――嬉しすぎる涙は、止め方なんて分からないくらい勝手に溢れるし、…止まらなくてもいいなって思えるくらいに素敵なものだ。
「今からそんなに泣かれると困るのだが…まだ、一番大切なことをしていないだろう?」
「ふぇ?」
俺の頭から手を離し、落ちそうになる白衣は俺の肩にかけられる。そして緑間っちは…ポケットから、片手におさまるサイズの紫色の箱を取り出し、開けた。
ぼやけた視界の中で、永遠を誓う輪がきらりと光る。いつの間にか、緑間っちの薬指にも、同じものが嵌められていた。
「…本当は、いかにもお前の好きそうな夜景の見えるレストランで渡すつもりだったのだが…いつ渡そうと、俺の気持ちは同じなのだよ」
「……ホントずるいっスよぉぉ緑間っちぃー」
「こら!鼻水を拭くのだよ!」
受け取ろうとしたそれは、テーブルの上のティッシュ箱と変えられ、一旦はお預けを食らったものの。
鼻をかんだ後、無事に俺の指に届き、サイズを教えた覚えなどないのにぴたりと嵌まった。

「……そういえば緑間っち、なんで俺にプロポーズする前に高尾っちに言ったんスか?」
「別に順番はどうだっていいだろう」
ココアとおしるこから、奮発して開けた貰い物のワインへと変わったグラスを合わせながら、ふと聞いてみる。
「もし俺が断ってたりしたら、緑間っちすっごい恥ずかしい人っスよ」
「…断る気があったのか?」
「たとえ話に決まってるじゃないスか!」
「そうだろうな。…実は、高尾に頼んでいたのだよ」
「え?何をっスか?」
「あいつは顔が広いだろう。…お前とふたり、男同士でも結婚式を挙げられる式場を探してもらおうと思ってな」
少しだけ言いにくそうに、緑間っちは言葉を紡いでいく。赤い頬は、飲み始めたばかりのワインのせいなどではないはずだ。…そして、俺の頬もまた、きっと赤くなっている。
「お前が青峰と桃井の結婚式で、あいつらを羨ましそうに見ていたから――というより、本音を言うならば、俺が見たかったのだよ。ドレスでもタキシードでも、好きな方を着て、俺の隣で幸せそうに笑う黄瀬を」
「……そうだったん、スか」
最後の不安まで全部まとめて払拭され、ふふ、と笑みが零れた。
(…あぁ、幸せだ。桃っちたちにも、世界中の誰にも負けないくらい)
だから、せっかく頼んでくれたそれだけど。
「…いいっスよ、結婚式なんて。…今の誓いで、十分すぎるくらいっス」
ヴェールの代わりの白衣と、少し髪がぼさぼさの休みの日の緑間っちだけで、もったいないほどに幸せだと感じる。
あとは、そう。
「…そういえば緑間っち。まだ、プロポーズ聞いてないっスよ」
「あ、忘れていたのだよ。……えー、コホン。…たとえ法的な繋がりができずとも、そんなものよりもずっと深くお前を愛し、一生幸せにすると誓う。――黄瀬。俺と結婚してくれ」
妙にかしこまった声で、座ったままながら普段よりも背筋を伸ばして言う緑間っちに、自分から求めておきながらおかしくなってくすくすと笑ってしまう。
「なっ、笑うとは失礼なやつなのだよ!笑ってないで早く返事を寄越すのだよ!!」
「はは、ごめんなさいっス。…もちろん、喜んで」
先ほどよりももっと真っ赤な顔で抗議の声と投げやりな催促を飛ばしてくる緑間っちに、俺も少しだけかしこまった声で肯定を返す。
どちらからともなく椅子から腰を浮かせ、テーブルの真ん中で、唇が触れ合った。

ふたりきりで誓う
(小さくて幸せな結婚式)

20140717

大 遅 刻
緑間っちとこのサイトの三周年に。
この後結局ノリノリの高尾によって緑黄ちゃん結婚式は盛大に執り行われます。
最近はぴくしぶにばっかり出現してますが、リクエストの方もちょこちょこと更新していこうと思っている次第でございます!今後ともどうぞよろしくお願いします。



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