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元の世界では、ハリポタが大好きで夢小説を読みまくっていた世間一般どこらへんでもいそうな女の子だった。
気づけばあたしはハリポタの世界にいて。念願のトリップをしてしまったのだ。
目の前には、あたしの愛する黒髪イケメンでちょっぴり俺様の――例のあの人。
そう、イケメンで天才でイケメンの……






「……なんでイケメンじゃないのぉおおぉ!!」


どうやら神様はあたしに夢小説展開を授けてくれる気はないらしく、目の前には原作通りの!つるっぱげの!鼻がない!ヴォルデモート卿がいて!!


テンションがた落ち、興ざめしたのは…言うまでもない。


おい、あたし夢小説とかであんたに猫耳生えたのとか、風邪引いちゃってかわいいのとか、顔赤くなってんのとか、ちゅーしてんのとか、色々読んでんだぜ?
どうしてくれるんだ…!


目の前にいるヴォルデモート卿を見て、黒い猫耳がついたところを妄想してしまう。
やばい……嫌だ……帰りたい……


勝手に妄想をして白目を向いたり、地団駄を踏むあたしを、ただ黙ってヴォルデモート卿は見ている。


いやだーおらこんなアホみたいな顔してる卿と恋するなんて嫌だー


うぉう、うぉうと言うあたしにヴォルデモート卿はにやりと笑って近づいてきた。


「今日、この時、この場所で。
名前という、自分にとって利用価値があるものが生まれる。
……そう予言があった。

まさか名前が人間の名前とは思わなかったが……せいぜい、俺様の為に役に立ってくれることを願う。」


クツクツと喉の奥で笑いながら、彼はそう言った。


あぁあああぁ!!
俺様とかあなた厨二病ですかぁああぁ!!
ていうか名前軽々しく呼んでるんじゃねぇえぇえ!!



くっそ、くっそ。
こんなん嫌だ。
まじで帰りたい。





お恨み申し上げます

――――――

(完全にふざけました。ごめんなさい。きっとヒロインちゃんはこの先なんとか仲良くやっていくことでしょう。)


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