「ルッスーママ!」
「どうしたのぉリーアちゃん?」
「えっとねー何でもないっよんだだけ!」
「あらぁそうなの?まったく相変わらず可愛いわねぇ〜」
「えへへっ」
「……おい、何だありゃあ」
明らかに嫌そうに眉を寄せ指す先にはしゃがみ込んでリーアの頭を撫でるルッスーリア。
スクアーロの問いにマーモンが「知らないよ」と答えた。
「ってかあいつら何時の間にあんな仲良くなってんの?王子差し置いてオカマと仲良くなるとかマジ分かんない」
口をへの字に曲げてつまらなそうなベルはキラリと光るソレをルッスーリアへと投げた。
しかし、糸も容易くナイフを避けたルッスーリアはリーアから離れてこちらに詰め寄ってきた。
「ちょっと危ないじゃないのよ!リーアちゃんに当たったらどうするの!?」
珍しく怒るルッスーリアにベルは素っ気なく「別に良いじゃん」と返した。
「よくないわよあの子のお肌に傷が付いたら大変じゃないの!!」
まったくコレだから男は野蛮なのよ…とため息をつくルッスーリアに三人は「お前も男だろ」と声を揃えて思っていた。
「ルッスーママだいじょうぶ?」
いつのまにか足元に抱きついていたリーアをルッスーリアは軽がると抱き上げ「大丈夫よー」とハートを飛ばしていた。
「…おい、前から思ってたがその呼び方なんなんだぁ?」
「あら、ママのことかしら?素敵でしょう?」
「全然」
「何だかこの子見てると母性本能が目覚めちゃうのよね〜」
「(((お前に母性本能はないだろうが)))」
本日二度目の揃った心の声はもちろん誰にも届かず、そんな中リーアが口を開いた。
「ルッスーママーリーアおなかへったぁ」
「あらぁもうおやつの時間ね。それじゃあ何か食べましょうか」
「うん!」
「あ、そうそう」
リーアを抱きかかえ背を向けたルッスーリアは思い出したように振り返り
「リーアちゃんが可愛いのは分かるけれど、ベルちゃんあんまり嫉妬しちゃダメよー」
と残してじゃーねーと手を振り去る二人に三人はただ無言でその姿を見送っていた。
「…別に王子嫉妬なんかしてねぇし」
つづく