小話 | ナノ


10.09.22.

手紙
ヒロト



 
※今週のアニズマを見て



日本にいるみんなから、手紙が届いた。
緑川からの手紙を渡されて、吹雪くんと一緒に目を通す。
元気でやっているようで、少し安心した。
みんなも色んな人から届いた手紙を読んで表情を和らげていた。
砂木沼からの手紙にはみんなちょっと苦笑していたけど、彼らしいかな、と思う。
緑川からの手紙に目を落とす。
綺麗な字が、やはり綺麗に並んでいた。
お世辞にも綺麗とは言えない豪快な字と、ちょっと癖のある小さな字が、少し恋しくなった。
…あのふたりからは、ないのかな。
あのふたりが手紙書くわけ、ないか。

「ヒロト?どうかしたのか?」

「ううん、なんでもないよ、」

ぼーっとしてしまった俺に声をかけてきた円堂くんに笑顔を向けて、緑川からの手紙をポケットに突っ込んだ。



夕食後、自室でポケットから手紙を取り出す。
机の上にそれを置いて、ベッドに寝転がった。
手紙、書こうかな。
みんなも返事書くんだろうか。
コンコン、とドアが控えめにノックされて、慌てて身体を起こす。

「はい、」

「音無です、」

ちょっといいですか?と言われてドアを開けると、音無さんがにこりと笑って俺に一枚のはがきを差し出した。

「さっき渡せてなかったみたいで、すみません、」

「ああ、ありがとう、」

じゃあ私はこれで、と頭を下げた音無さんにもう一度お礼を言って、ドアを閉めた。
誰からだろう、姉さんかな。

「あ…、」

裏面に並んだ、豪快な字と、癖のある小さな字。
ああ、まさかあのふたりから手紙がくるだなんて。
砂木沼のように長くも、緑川のように丁寧でもない、ひどく簡潔な激励の言葉。
その短い言葉に、涙腺がじわりと熱くなった。

「ありがとう、」

まだまだ世界一は遠いけれど、俺はこれからも走り続けるよ。



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アニメで南雲と涼野から手紙がこなかったことが納得いかなくてですね^^
いえ、私の家の電波ではヒロトがこっそり手紙を読んでいるのが見えました!キリッ

ふたりからの内容はご想像にお任せします^^

晴矢の字は中学生男子、ってかんじの豪快なイメージ
風介はちょっと癖の強い小さな字
リュウジは綺麗な字書きそうです
治は達筆でww
ヒロトはお手本みたいな字だといいな


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