小話 | ナノ


10.09.21.

お題 10
バンガゼ



 
※カオス結成後
※甘くない



ぽかりとあいてしまった隙間を、埋めたかったのだと思う。
私も、バーンも。

雷門と引き分けて、次はないと言われた我々ダイヤモンドダスト。
ジェネシスの称号を手にできなかったプロミネンス。
理由に些かの違いはあれど、結局のところ、私もバーンもマスターランクでありながら最強の称号を手に入れることができず、用済みとなった存在ということだ。
お父様から、捨てられたということだ。
グランが気に入られていることなどわかっていた。理由も知っていた。
それでも、私たちもお父様に認めて欲しかった。
ただ、グランのように…―ヒロト、のように、愛されたかったのかもしれない。

ジェネシス計画からはずされた私たちのネオジェネシス計画はこうしてカオスというチームを結成するに至ったが。
それすらも、結局は隙間を埋めたかっただけなのかもしれない。
サッカーをしていれば、ボールを追いかけている間は、余計なことを考えなくてすむから。
練習が終わったあとや夜、じわじわと胸に広がる暗い感情に無理矢理蓋をして、目を背けていくことしか、今の私たちにはできなかった。


「ガゼル、」

もう日付も変わろうかという時間に、バーンが私の部屋へ訪れた。
いいかげん、ノックくらい覚えないのかこいつは。

「なんの用だ、」

「…わかってんだろ?」

にやりと笑ったバーンの金色の瞳がぎらりと光る。
本当は私も、わかっていたのだけど。
それでもこうして毎回、同じ言葉を繰り返す。

「ちょっと今日加減できねーかも、」

「加減したことなんてあったかい?」

「してるぜ、一応、」

と、笑いながらバーンが私をベッドに押し倒す。
こうしてバーンを見上げることにも、不本意ながらずいぶんと慣れてしまった。
首に唇を落とすバーンの髪を、くしゃりと掴む。
私の腰を抱くこの腕に安心感を抱くのは、どうしてなのだろうか。

「バーン、」

「どうした?」

「…忘れさせてくれ、」

何を、などという言葉が返ってこないことなどわかっている。
バーンも、同じなのだから。

「…ああ、」

忘れたいんだ。
例え、それが行為に溺れている間のことだったとしても。
少しでも、目を背けていたいんだ。

カオスを結成して、ひたすらにボールを追いかけた。
打倒ジェネシスを掲げ練習に明け暮れ、必殺技を編み出した。
どうしても思考の落ち込む夜には、身体を重ねた。
全て、つまりはそういうことなのだ。
ぽかりとあいてしまった隙間を、埋めたかったのだ。
私も、バーンも。


バーンに与えられる快楽の波に身を委ねて。
私はゆっくりと目を閉じた。


―僕らは愛に飢えていた(隙間を埋めてみたくて)


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お題は確かに恋だった様から


バンガゼはドライなのも好きです
よし書いてみよう
あれ…?←今ココ

予定とずいぶん違うものに…

バンガゼはドライでも可
南涼はべたべたに甘いのがいいです^^*





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