小話 | ナノ


10.09.20.

家庭教師南雲
南涼



 
※ぱろ注意
※大正浪漫的な



もう数年の付き合いになるヒロトに、うちで預かっている従兄弟の勉強を見てやってくれないか、と頼まれたのは数日前のことだった。
ヒロトの方が勉強もできるし、教え方だってうまいだろうに、なんで俺なのかとたずねると、時間がとれなくてね、と苦笑で返された。
手間賃も渡すから、といわれれば、裕福とは言えない俺にとってはありがたい話だった。
少し考えさせてくれとは言ったものの、結局俺はヒロトの家へ出向いていた。相変わらず、でかい家だ。

従兄弟の少年は俺たちより3つ下のだと言っていたから、年のころは15だろうか。
どんな少年なのか詳しくはきいていないから全く見当もつかない。
性格的に合わなかったらまずいな、とも思うが、まあなんとかなるだろう。
とにかく、一度会ってみないことには。

ヒロトの部屋へ通される間に、小柄な少女とすれ違った。
淡い桃色の着物を着て、腕には数冊の本を抱いている。
少女はぺこりと頭を下げると、すぐに近くの部屋へ姿を消した。
はて、ヒロトに姉がいるとは聞いていたが、妹までいたのか。
雪のような銀色の髪に、海のような蒼碧の瞳。ヒロトにはあまり似ていなかったが、なかなか綺麗な顔立ちをした少女だった。
思わず少女の立ち去った部屋の方へ視線を向けると、いつの間にそこにいたのか、ヒロトから声をかけられた。

「晴矢、早かったね、」

「遅刻したらまずいと思ってよ、」

「そう、」

ちょっと時間潰してて、と近くの部屋へ通され、使用人らしき女性がお茶を並べてくれた。
それを飲んでいる間に、部屋を軽く見回す。
勉強専用の部屋なのだろうか、あまりものがなく、机と書物がぽつりと存在するだけの、それにしては広い部屋。
贅沢だな、と思うはしで、正直落ち着かない。
狭くても、もうちょっと賑やかなほうが性に合っているようだ。

「失礼します、」

小さく音をたてて襖が開かれた。
かけられた声はヒロトのものではない。少女のように軽やかな、しかし少し緊張した声。
振り向いた先に立っていたのは、藍色の着物を着た、小柄な少年。

「涼野風介です、」

ぺこりと頭を下げた少年の後ろからヒロトが顔を出す。

「この子が従兄弟の風介、」

よろしく頼むよ、晴矢、と手を振ったヒロトに曖昧に返事をして、少年の顔をまじまじと見る。
雪のような銀色の髪に、海のような蒼碧の瞳。

「よろしくお願いします、」

そう言って頭を下げた少年は、先ほどの少女と、瓜二つだった。



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大正浪漫的なもの目指して撃沈


風介はヒロトさんの趣味で女物を着せられてるんですよ
ヒロトさんと風介はアレな関係なんですよ
でもそのうち晴矢に惹かれていってしまうんですよ…

とか書きたいこととか設定は、色々…!


いつものごとく中途半端orz
また続き書きたいです^^^^





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