小話 | ナノ


10.09.07.

大学生×中学生
南涼



 
※大学生×中学生ぱろです



学校からの帰り道。方向が同じだったヒロトとも別れ、ひとりで歩いていた。
家まではあともう5分とかからないだろう。
今日は英語と数学の宿題がでていたから、家に帰ったらまず宿題をやって、と考えていた私に、背後から声がかかる。

「風介!」

少し強めに名を呼ばれ、振り向いた先に立っていたのは。

「晴矢…?」

「よー風介、相変わらずちっせーな、」

幼馴染というには年の離れた、しかし兄弟と呼べるほど近くで育った、隣の家のお兄さん。南雲晴矢だった。
晴矢は私の頭をぐしゃぐしゃと撫で回すと、相変わらず子供みたいな表情で笑った。



晴矢と私は家が隣で母親同士の仲が良かったため、幼い頃から一緒にいる時間が長かった。所謂、幼馴染という関係なんだろう。しかし年は晴矢のほうが6つも上なこともあって、私が晴矢に遊んでもらう、という関係に近かった。
晴矢は嫌な顔ひとつせず、いつだって私に付き合てくれる、兄のような存在だったのだ。
最近は生活時間が合わず、なかなか会えなかった。晴矢はバイトがあるようだし、私にも部活があるし。
晴矢に憧れてサッカーを始めたとは、口が裂けても言えないが。

「風介、今週の日曜暇か?」

並んで家までの道を歩いていると、晴矢が私の顔を覗き込むようにしてそう聞いてきた。

「日曜日は、何もない、」

土曜日は近くの学校と練習試合があるが日曜はだいたい部活も休みだ。
晴矢も、バイトはないのだろうか。

「暇ならさ、どっか連れて行ってやるよ、」

お前車乗りたいって言ってただろ、と笑う晴矢は、私の本心を知らない。
前に晴矢の車に乗ったときに、確かに私はそう言った。晴矢は私が車に憧れているのだと勘違いしたようだが、私が乗りたいのは車じゃない。
晴矢の運転する車なんだ。

「楽しみにしてるよ、」

「おう、期待しとけ、」

晴矢は知らない。私の想いを。
私はもうずっと晴矢のことが好きだけれど、晴矢はそんな私の気持ちを、知らない。
言うつもりもないのだけれど。

それでも今はまだ、こうして甘えられる、この弟のような幼馴染というポジションに、浸っていたいんだ。



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大学2年生の晴矢お兄ちゃんと、中学2年生の風介くん

書きたいシーンが全く書けてない…
リベンジリベンジ…


大学生×中学生は南←涼要素の強い両片想いがテーマだったりします^^




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