小話 | ナノ


10.09.04.

プロポーズ 04
豪風



 
※未来捏造
※大学生ぱろ


いつもと変わらない、夜のことだった。


豪炎寺の部屋で(といっても、今は完全に同居状態だから俺の部屋でもあるわけだけど)、テレビを見ながら、缶ビールを片手に晩飯を食べていた。
テレビからは、賑やかなバラエティー番組が流れている。
つい、とお茶を差し出せば、豪炎寺はわずかに顔を和らげた。
なんとなくバラエティー番組を見ながら箸を進める。観光スポットを紹介しているその番組の、今日の特集場所は、ちょうど高校のときの修学旅行先だった。

「懐かしいな、」

豪炎寺の言葉に、同じことを考えていたんだな、と苦笑ももらして、いつのまにか修学旅行の時の話に花が咲いてしまっていた。
円堂が、鬼道が、吹雪が、並ぶ名前にどんどん懐かしさが募る。
ふたりで笑いながら話していると、突然、豪炎寺が笑みを引っ込めた。
どうしたんだ、と首を傾げる俺に、豪炎寺はまるでフィールドに立っているときのように真剣な表情で、口を開いた。

「風丸、俺は、お前の笑顔を見ているときが一番幸せなんだ、」

かあ、と頬に熱が集まるのがわかった。
何を、言ってるんだ豪炎寺は。
無言で頷いた俺に、豪炎寺は言葉を続ける。

「これからずっと、俺がお前を笑顔にさせる、」

だから、と続ける豪炎寺の目尻が、ほんのり赤くなっていた。
でもきっと、俺のほうが赤くなっているんだろう。

「だから俺に、幸せをくれないか?」

豪炎寺に、顔赤いぞ、と告げて。
苦笑を浮かべたその口元に、噛み付くようなキスをした。


―俺は、幸せを貰ってばかりだ。


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プロポーズシリーズ
本日は豪風です^^久しぶりの豪風…

しつこく大学生ぱろで申し訳ないです
まだ彼らの社会人姿が想像できなくてつい…


元ねた→「(2人で何気ないことで笑い合っているときに)お前の笑顔を見てると幸せ。これからずっと俺がお前を笑顔にさせるから俺に幸せをくれないか?」





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