10.09.03.
▼プロポーズ 03
基涼
→
※未来捏造
※大学生ぱろ
試験の終わった、休日のことだった。
大学に入学してからほぼ同居状態のヒロトも、試験期間はさすがに自分のアパートに戻り(といってもすぐ近くなのだけど)、ここ数日は私の部屋に来ていなかった。
私も試験とレポートに追われていたし、試験期間だけは、毎回こんなかんじだった。
試験の終わった今日はもう何もしたくない、と、まだ日も高いというのに私はベッドに寝転んだ。
側のローテーブルに置かれたふたつのマグカップだとか、ふたつ並んだ携帯の充電器だとか、ここ数日は使われていないヒロト専用のクッションだとか。
ひとりになるのは久しぶりで、それを実感したのも久しぶりで、なぜだか妙に、淋しかった。
そんなものを見ながらごろごろと転がっていると、ガチャリと玄関が開く音がして、私の名前を呼びながら、ヒロトが部屋へ入ってきた。
「あれ、風介寝てた?」
身体を起こしてふるふると首を横に振れば、ヒロトはそう?と首を傾げながら私の頭をそっと撫でた。
ヒロトの顔を見れば、目の下にうっすらと隈が浮かんでいて。顔色も少し悪そうだ。それをヒロトに言えば、昨日徹夜でレポート書いてた、と苦笑して頬をかいた。
無理をするな、と言いかけた私の身体を抱きしめ、ヒロトは深く息をついた。
「はー、やっぱり安心する、」
久しぶりの風介、と腕の力を少し強めたヒロトの背に、私もそっと腕を回した。
「ねぇ、風介、」
ヒロトは私の肩口に顔を埋めたまま、小さな声でぽつぽつと呟いた。
「やっぱりね、俺の帰るところはここなんだ、」
俺の部屋にいても落ち着かないんだ、というヒロトの気持ちは、なんとなくわかる。
私も、ヒロトのいないこの部屋は、落ち着かないから。
「これからもずっと、ここに帰ってきていい?」
不安そうに揺れるヒロトの声に小さく笑って、私はヒロトに腕を回したまま、ベッドへ背中から倒れ込んだ。
―君の帰る場所が、これからもずっと私だったらと、思うよ。
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プロポーズシリーズ
本日は基涼でした^^
基涼も好きなんですー^^
元ねた→「(徹夜明けに向かった彼女の家で)これからもずっとここに帰ってきていい?」