小話 | ナノ


10.08.05.

キスのシチュエーション03
染吹




ずっと、一緒にいられると思ってた。
でも、それはただの幻想だった。

しばらく会えない、と染岡くんに言われたのは、その日の前日のことだった。
明日から2年間、僕たちは離れて生活しなくてはいけないのだと。

「ワリィ…、どうしても、言いだせなかった…、」

僕は、染岡くんと離れなくてはいけないということと、それを直前まで隠されていたということがショックで、何も言えずに俯いた。
染岡くんが、俯いた僕の頭をそっと撫でる。
ぽろりと、涙が零れた。

「吹雪、」

そっと頬を包まれ、優しく顔を持ち上げられた。染岡くんと、目が合う。
染岡くんの頬も、涙で濡れていた。

「染岡くん…、」

染岡くんは触れるだけの優しいキスをして、僕をぎゅうと抱きしめた。

「2年後、必ず会いに行く、」

「…待ってる、」

染岡くんの背中に回した腕に力を込める。


ずっとずっと、待ってるから、染岡くん。


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キスのシチュエーションシリーズ

初染吹ですー^^
染吹可愛いですよね^^






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