推しに尽くしたい話 | ナノ


▼ 55

「コナンくんか。今晩は」
 小さく微笑んで挨拶をする。
「こんな時間にどうしたん? 良い子はお家に帰る時間やで」
「まだ八時にもなってないよ」
 さっきの子供らしい声とは裏腹に、大人びた顔つきでにこりと笑っている。
「もう、やろ不良小学生。一人で夜歩きか?」
「一人じゃないよ」
「ふうん?」
「こんばんは、進藤さん」
「──っ!」
 コナンくんの背後の木陰から音もなく現れた男を認識して、サッと血の気がひいた。
「……沖矢、昴」
 くそ、もう繋がってやがった。舌打ちしたいのを堪え、目を細めて不審者を見る。
「コナンくんはこの不審者の知り合いなん?」
「不審者とはまた、酷い言い様ですね」
「一度相席した人に付きまとうのは不審者じゃなければストーカーですか?」
 冷静になれ。私はどうでもいいから、零さんにだけは辿り着かないで。私を、あの人の弱味にならせてくれるな。そこさえ守れればあとは構わない。もちろんコナンくんがあの人の味方になってくれたら嬉しいけど……それは高望みというやつやろうな。知能と武力を兼ね備えた主人公とあのFBIのコンビに勝てるはずなどない。
 早くコナンくんの推理を聞いて相手の持つ情報を知らなければ、どこまで切り捨てて話をするべきか方向性が定められない。
「まあ、ええわ」
「ホー……今日は随分と諦めが早いんですね」
「それこそ時間の無駄って分かってますから。……それで、なんで私を待ち伏せしてたん? それとも尾行してたんかな?」
「──悠宇さんと、ちょっとお話がしたかったんだ……」
 待ってたんだ、と続けないのは尾行という解釈でいいのだろうか。人気のない場所になったから、声をかけたということか。それともこの公園が私の出没スポットだと思われてんの?
「そう。よく私が今日ここにおるって──ああ、いや、愚問か。梓ちゃんか、梓ちゃんに聞いたマスターくらいしかおらんよな」
「正解だよ」
 トロピカルランドに行くって知ってたんなら、この流れもそこまでおかしくはない。もうひとつの盗聴器や発信機という可能性は、鞄に至るまで昨日と異なるので却下されている。もちろんしっかり調べてないことだって確認済みやし。
 厳しい顔つきを隠しもせずに向き合っていると、近くを自転車に乗った男子高校生が過ぎ去った。
「……場所を変えよう。悠宇さんも、それでいい?」
 ちらりと視線を送り、コナンくんが言った。溜息をついて、是の返事をする。変装の一件がバレている以上、ここで話を続けるのはお互いにとって得策ではない。分かってはいるけど、気は進まない。
「それで、どこに?」
「私の家など──」
「却下」
 工藤邸やんか。緋色シリーズかよ。一般人にそんなスペックはありませんお帰りください。外堀埋めにも程度ってもんがあるやろ。既にオーバーキルやわふざけんな。
「コーヒーくらい淹れますよ」
「連れ込もうとしたら助けて襲われるって全力で叫んだるわ」
 ひくりとコナンくんの顔が引きつった。沖矢さんはぴくと片眉が動いたものの、表情を崩さない。
「ご近所さんからどんな目で見られるかなあ?」
 そう、例えば隣に住む女子小学生(仮)とか。
「優秀なる日本の警察に取り調べられて困るんは……誰やろうな?」
 途端にピリリと剣呑な雰囲気が漂った。
「コナンくんは子供やから回避できても、沖矢さんはどうかな……」
 赤井さんへの含みを打ち消すようなことを言えば、ほんの少し尖った空気が和らぐ。本当に分かり易い。
「そんなギリギリの手段、私に取らせんといてな」
「はは……」
 精一杯の虚勢を張るとコナンくんが乾いた笑いを漏らし、一方の沖矢さんは顎に手をやり考え込む仕草をした。
「では……少し先に工事途中で放置されたビルがありますが、どうでしょう」
 なんだその都合よく怪しい建物は、と思ったけれどここは米花町。のっぴきならない不穏な理由で中断される工事が容易に想像できた。不動産に厳しい社会だった。
「あなたと密室は御免こうむりたいので……そのくらいが落とし所でしょうか。案内してください」
「ええ」
 沖矢さんが先導し、行こう、とコナンくんが私の手に触れる。少し迷ってその小さな手を取って繋ぐと、そっと握り返される。逃がすかと言われているようで、けれど、敵だとは思われていないようで、不思議な心地がした。まだ目的が分からないのだ。変装のことというカードだけでコナンくんがこういう強行手段に出るとは考えにくい。何を知ってどこまで推理したのか。そのせいで梓ちゃんが危険に晒されることは多分ないやろうけど……やっぱり、全て終わるまでは距離を置いた方が無難かもしれない。甘いことやってるから、こうなるんや。
 下から顔色を窺われているのは感じつつ、そんなことを考え込んだ。繋ぐ手にきゅっと力が入ってしまった。握り返され、思考の海から浮上する。
「……なあ、お家の人に怒られへん?」
「大丈夫だよ、博士の──知り合いの家に泊まるって言ってあるから」
 ほんま便利やな、博士。色々な意味で。こんな状況なのに脱力してしまった。緩んだ気を見てか、コナンくん何気なく尋ねた。
「なんで昴さんのことそんなに嫌いなの?」
「それは私もお聞かせ願いたいものですね……」
「嫌いとかやないよ」
「え?」
 コナンくんがきょとりと丸い瞳で私を見上げる。
「ズカズカとパーソナルスペースに踏み込んでくる大人、それも男性を警戒するなという方が無理やろ。無駄に威圧感があるっていうディスアドバンテージを自覚してほしい。威圧されたら威圧し返したくなるもんやろ?」
 どストレートに真顔で言ってのけると、コナンくんは閉口した。
「ふむ……気をつけましょう」
「はいはい口だけ。オーラは消せませーん」
「……オーラ、ですか」
「私普通の人と違います何かありますオーラ出てるじゃないですか」
「何かありますオーラ……?」
「全身黒タイツオーラよりマシ」
 こちらを振り返りつつオウム返しする沖矢さんに、生真面目な顔をして頷いてやる。おい糸目、意図的に視界狭めとるんやからちゃんと前見ようか。
「それはオーラじゃなくてただの変質者だよね」
「またの名を犯人という」
 犯沢さんでもええんやで、と心の中で付け足しておいた。緊張感をぶち破る会話にコナンくんが脱力する。移動中くらいガス抜きせんと、もたへんわ。


 コナンくんが、主人公があの人の絶対的な味方だったらどれほど心強いか。どれだけ助けになるか。たとえ隣にいることを許されても、私じゃ隣を走ることはできない。この子はそれだけの力を持ってる。そんなことを一体何度考えただろう。──いや、赤井さんだって、確執がなく協力し合うことができたら……こんな二人に囲まれていると、無力感と絶望感が募る。
 有能すぎるあの人には、隣で並んで走ってくれる誰かが必要やから。景光さんたちの代わりになどというのは誰に対しても失礼だから言えないけど……でも、この二人には可能性があると思ってる。その可能性を潰えさせないためにも、少しでもその未来の確率をあげるためにも、ここが私にとっての正念場。
 今やなんの未来も分からない、私のやれる精一杯を。



 四階建てのビルの三階が戦場となった。話すまで逃がさないという圧を感じた。背後にある窓をつける予定だったはずの空間から外をちらりと見遣り、どうしようもなさに途方に暮れた。腹括って来たつもりが、とても帰りたかった。帰ってハロをわしゃわしゃしたい。
 壁と放置された角材に囲まれた場所で足を止める。通ってきた階段は、二人の背後の壁のそのまた向こうだ。
 沖矢さんは腕組みをして近くの柱にもたれ、コナンくんが角材のひとつにちょこんと腰掛けた。
「単刀直入に言うよ──手を引いてほしい」
 意図を測りかね、顔を顰めた。
「よく分からんな。ちゃんと説明してくれるかな……どうしてコナンくんと沖矢さんが一緒におるんか、とかも気になっとるし」
「昴さんはボクの親戚の家に住んでるんだ。メールの相手が悠宇さんだって気付いたのはごく最近だけどね。昴さんのいう『進藤』さんはてっきりこの辺りの人だと思ってから最初はノーマークだったんだけど……悠宇さんだと分かったら今までの行動も発言も説明がつくんだ」
「ほー?」
 曖昧な相槌を打つと、コナンくんが話を続ける。沖矢さんは糸目であるものの私から視線を逸らす気配はなく、監視されていることでひどく居心地が悪い。もういっそずっと開眼しとけばいいのに。そしたら開眼のタイミングでビビらされることもない
「ゴールデンウィーク前、サミット会場の爆破事件があったのは知ったよね。その容疑者に小五郎のおじさんがあがっていたことも。あの日悠宇さんは東都にいて、ボクに会った」
「そうやな」
「翌日、悠宇さんは妃法律事務所の様子を窺ってた。わざわざ変装なんてしたのはボクにバレないためだよね。最初は偽名で通そうとしたみたいだし……高山めぐみ、だったかな。距離もあったし、まさかあんな派手な人が悠宇さんだなんて考えもしなかったよ」
「それで沖矢さんを派遣した、って?」
「悠宇さんに偶然って言い訳は通じないよね。でも、お願いしたって言ってよ」
 コナンくんが口を尖らせた。
「変装に偽名、疑うには充分でしたよ」
 沖矢さんが静かに口を開く。
「そんなんお──」
 お互い様やろ、と噛みつきかけて言葉を飲み込んだ。沖矢、江戸川、進藤と旧姓もカウントするならこの場には嘘つきしかいないことに気付いて落ち込んだ。偽名が常の不穏な世の中。ジーザス。
「お、きやさんの不審者っぷりには負けますよ……でもコナンくんの指示やろ? その後の会話も全部指示なん?」
 無理矢理言葉を繋げ、質問をする。
「ほんと悠宇さんも買い被りすぎだよ……違うよ。正直言ってそれどころじゃなかったから、悪い人じゃなさそうだって聞いただけでしばらく昴さん任せだったよ。会話内容を聞いたのだって結構あとだったし。
 だから、ゴールデンウィーク終わりにまた悠宇さんとポアロで会ったのが先。つまりあの事件の間ずっとこっちにいたんだよね。あそこで三井刑事に偶然出会って呻いてたのは、見張ってた後暗さがあったからじゃないかな。警察のいるところでそんなこと、やりたくないよね」
 コナンくんが小首を傾げ、また淡々を話を続ける。そんなところまでよく覚えてるもんやな、と名探偵の記憶力に呆れた。瞬間記憶能力は標準装備ですよね分かります。やめてくれ。
「悠宇さんが既婚者だってことを知って、三井刑事からは具体的な時期なんかも聞いたよ。じゃあなんで親しい梓姉ちゃんに一切言わなかったか……言わなかったんじゃなくて、言えなかったんだよね。理由は別居婚じゃない──言えない相手だから」
 ミッドナイトブルーの瞳が私を射抜く。ドクドクと早鐘を打つ心臓を無視してなんとか表情を変えないでいると、話を戻すよ、と肩を竦めた。
「返信と既読のタイミングからフルタイム勤務の社会人なこと、イントネーションから出身がこの辺りじゃないことは分かってた。その後証明みたいに送られてきたお店は大阪や京都だったから、関西かな、くらいで。ごめんね、画面も見たんだ。この時は何も思わなかったけど──昨日、梓姉ちゃんが嬉しそうに悠宇さんとトロピカルランドに行くって話してくれたんだ。そのついでみたいにアイコンの話を聞いて、違和感を覚えた」
「それで気付いたって?」
「初期のアイコンもアルファベットの苗字も多くはないけど、一緒だからって決定打になるほどじゃない。こっちに来るって予定を聞いた昨日、悠宇さんと昴さんが会ったんだよね……これは本当に偶然だったんだけど、おかげで疑惑が確信に変わって、二人が完全にイコールで繋がった。だから今日話そうと思いついたんだ」
「随分、急やな」
「そうかな……ボクと連絡先を交換する前に躊躇ったことや、少し前に変えたことから考えると……『進藤』さんだとバレたくなかった、ということになる。言い換えれば、ボクと昴さんの繋がりをあの時既に知っていたってことになるんだ」
 しまった、発覚を遅らせようとした咄嗟の行動が裏目に出た。思わず眉根を寄せる。
「図星みたいだね。その様子だと、ただの顔見知り以上だと知ってたみたいだ……次にいくよ」
 次はなんや、頭を抱えたいが我慢や。今度は表情を変えへんぞと意気込み身構える。
「『進藤』さんの言葉は悠宇さんの言葉だった、ということになるよね。昴さんと最初にした会話、覚えてる?」
「えっまじか嘘やんその小っ恥ずかしい話するん!?」
 唖然として叫んだ。この流れでとかただの公開処刑やん。運命の変え方で検索した過去の自分にドロップキックをかましたい。ふざけんな。コナンくんはそんに私に構うことなく話を続ける。神は死んだ。
「既婚者のはずが、昴さんの言葉を借りれば、叶わぬ恋、だね。これだけなら初対面の人に対する適当な嘘だろうとしか思わなかったよ……けど、その人物像が少し引っかかった。『目的のために邁進する』……それは安室さんと言うよりは──また、別の側面みたいだってね」
 意味あり気な視線に背筋が凍った。まだ安室透に拘ってたんかと焦って、そのせいで私が降谷零を知っているところまで辿り着いてしまったことでますます血の気が引くのを感じた。これは沖矢さんの記憶力に基づく会話なのか、それとも録音でもされていたのだろうか。どちらも有り得るな、と想像してひどく冷たい指先をぐっと掌に巻き込んだ。
「それに、住む世界が違う人……でしたよね」
 沖矢さんが口を挟む。
「それって旦那さんというより──焦がれた『肉親より強い関係』の人を想像した言葉なんじゃない? だから知ってた。だから見張ってた。これで今までの不自然さに説明がつく」
 公安と協力者の関係は肉親より強くなる。万一を考慮しているのか未だに決定的な言葉は避けながらも、公安の警察官に心酔する協力者という構図を私に掲示しているのだ。いつか私があれほど乞い願った関係だろうと今になって疑われるは、皮肉なものだ。
「もっと前から、二人の関係はただの店員と客でも、同僚の友達とも、それにただの片想いとも違う何かがあると思ってたんだ」
 コナンくんがとん、と地面に降り立った。
「さっき言ったよね、結婚したのは言えない相手じゃないか、って。それって悪いヒトなんじゃない?」
 すう、と息をついて鋭い目付きになる。
「ねえ、悠宇さん。本当に好きで福山さんと結婚したの? 例えば──誰かからの指示、とか」
 コナンくんをあの人の味方にするどころか、むしろ敵対心を煽っていたという事実を咄嗟に受け止められなかった。私のせいで、あんなに正義感の強い人が、協力者の恋心を利用する冷たい卑劣な男だと思われているのか、と不甲斐なさでじわりと目頭が熱くなる。
「大丈夫。悠宇さんのことはボク達が守るから……だからこの件から手を引いて、旦那さんのことを教えてほしいんだ」
 真剣な顔つきで差し伸べられた手を一瞥し、沖矢さんを横目に見て、コナンくんをまっすぐ見据えた。守る? なんの冗談や。守られる人間だけのになんか、なりたくない。それに、
「滅多なこと言わんといてくれる?」
「──っ、」
 思ったより怒気の篭った低い声が出て、コナンくんが目を剥いた。びくりと差し伸べられた手が引っ込む。それでも一度溢れた感情はとまらない。
「私は、望んで、あの人と結婚した!」
 心からの叫び声にグリーンの双眸までもが姿を現す。
「推理でもなんでも好きにしたらええ! けど、あくまで推理や! 前提にすんな! あの人の想いまで勝手に決めんな!」
 叫んでぐっと下唇を噛んで昂った感情を抑え込む。泣くな、冷静になれ、感情的になったら負けや、と自分に言い聞かせた。そんなこと分かってはいるのに、あの人の優しさも温かさ愛しさも、感情を否定されているみたいで我慢できなかった。必要に迫られれば冷酷になれる人だけど、だからこそそれが本心じゃないって理解っている人が必要なのに。あの人の目線に最も近いはずの二人の不本意な認識に耐えられなかった。私がそうさせていることが赦せなかった。強く噛んだ下唇から微かな血の味がする。
「だって悠宇さんは安室さんの協力者、なんだよね!?」
 コナンくんが叫んだ。
「……残念。そのなり損ないやで」
 必死に涙を抑えつつ、努めて静かな声を返した。落ち着け、まだ私との零さんの本当の関係は知られてないんやから、ここからうまく誘導しなきゃならない。この酷い土台からどうしたもんか。
「そんなっ……!」
 コナンくんの表情に焦燥が広がった。協力者じゃないならお前は一体なんなんだ、と言いたいのだろうと分かった。しかし、まだ言葉になっていないそれにわざわざ答えてやるなどという選択肢は持ち合わせていなかった。

 ふと沖矢さんの視線が私から二人の背後へと動き、コナンくんがそれに倣って鋭い視線を投げかける。
「──誰ですか」
 少しの静寂の後、数メートル先の壁の方からコツコツと革靴の音がした。ああもう、これ以上誰が来るって言うんや。FBIか、コナンセコムの誰かか。無理や、とパンクしそうで絶望感から俯いて、腕時計を見つめながら白くなるほど拳を固く握った。
「あまり彼女を虐めないでくれるか」
 その静かな声に勢い良く顔を上げると、姿を現したのは無表情なグレーのスーツ姿の零さんだった。
「あ、安室さんっ……!? どうしてここに!」
「さあ、どうしてだろうね」
 表情を変えることなく、瞳は冷たい光を宿したままだ。
「おいで、悠宇」
「──っ!」
 表情は変わらないのに声だけは優しく、そっと左手を差し出している。その袖口から覗く腕時計に胸が締め付けられた。
 こんな私を、まだ、呼んでくれる。いくら知られているからとは言え、降谷零としての姿を晒してまで助けに来てくれた。助けられてしまった。かみさま。私の救世主。
 二人の間をすり抜けて零さんに駆け寄り、その手に両手で縋った。
「ご、ごめんなさ──」
 零さんが唇に人差し指を当て、し、と微かな息を漏らした。慌てて謝りかけた口をきゅっと真一文字に結ぶ。
「いい子だ」と零さんが小さく頷いて私の肩を優しく抱いて二人に背を向けさせ、零さん自身は天敵と小さな主人公に温度のない視線を送っているのが視界の端で見えた。
「コナン君、この前の分はこれでチャラだ。いいね?」
「っ、……ああ」
「あなたも──彼女に、ちょっかいを出すのはやめていただきたい。このように女性を追い詰めるなど、本当は今すぐにぶん殴ってやりたいくらいですがね……」
 沖矢さんの返事は待たずに二人にくるりと背を向け、私を誘って歩き始めた。コナンくんと沖矢さんに引き止められることもなく、ビルを出た。

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