1800秒の時間制限(タイムリミット)
倉間と南沢







「勉強教えてくれませんか」

とか、こいつも意外と可愛いとこあるじゃんなんて考えていると、いきなり課題の山を手渡された訳で
なんの課題か聞いてみれば授業中にやったワークやらプリントやらを放置していたとかなんとか
ちょっとずつでもやっておけはいいのになんて、心の中で愚痴を漏らした
で、現在に至る

シンと静まり返った教室の中
テストも近いし、帰って勉強もしたいので、30分だけと制限を設けて早速課題に取り掛かった

「で、この公式の使い方が分からないのな?」
「出来ればテスト範囲も教えて頂けると助かるんですけど」
「馬鹿、俺もテストあるんだよ」

倉間の飲み込みがいいのか、俺の教え方がいいのか、あんなにあった課題が20分程度で片付いた
どうせ最初から30分やるつもりだったので、あとの10分は倉間の望み通りに、テスト勉強の時間に費やした

一年前にも同じような事をやった記憶を懐かしみながら、あっという間に10分は過ぎた
倉間が疲れた体を伸ばし、あー終わった、なんて呟く勉強にもキリがついて、帰るには打ってつけのタイミング
筆記用具を片付け、倉間が「ありがとうございます」と微笑する

じゃあ俺帰る、鞄を手に持ったその時に、らしくもない感情が浮かんだ




あぁ、さよならだ





長いようで、短かった
1800秒の時間

Fin.
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