朝擬人化BLです。 理解のあるかたのみどうぞ。 朝=どれすとの幼なじみで隣の家に住んでいる的な男子。 カチャリ。 微睡みの中、浅い夢の中でどれすとは無機質な音を拾う。 直後、不意に自分を包み込む永続的であった心地好い温もりが薄れ奪われていく感覚。 未だ眠りに身を委ねながら寝返りを一つ。 熱を吸収している犯人に、触れた。 「……どれすと」 「…、ん……」 「ねえ、どれすとってば」 落ち着いた声音の後に、悪戯に耳元をくすぐる柔らかな息。 背中を駆け抜ける寒気に、ようやくどれすとの意識が浮上し始める。僅かに開かれた双眸は焦点が合っていない。 「…朝……?」 「そうだよ、どれすと」 吐息混じりの笑みを漏らすと同時に、愛でるように緩やかに耳へと口づけを落とす。 「……何、俺さっき寝たばっか」 掠れた声を紡ぐ。 どれすとの視界で、血色の良い健康的な唇が三日月を描く。 「何してたの?」 「………別、に」 ギリ、 どれすとの、男にしては華奢な腕が捕えられた。少しずつ篭る、力。圧迫される、血管。 「痛、」 「他の人の匂いがするね。どれすととも、俺とも違う」 「………」 「ねえどれすと?」 笑みを崩さぬ唇がどれすとの額、顎先、首筋と口づけを伴いながら滑って、鎖骨で止まった。 そこには無数の紅。 紅色の花が己の存在を主張するように散っていた。 そのうえから自分を刻むよう朝は鎖骨に、首筋に思い切り噛み付く。 「…――あ、ッさ……痛っ…」 薄く滲み出て来る血液を舐め取り、 知っている、 そしてまた歯を立てる。 君が彼女や彼と関係を持っていること。 苦しげにあがるどれすとの声。 そんなこと知っている、 それすらも愛おしく、 きっと、ずっと前から。 酷く憎たらしかった。 |