『今日って何の日か知ってる?』
「…知らない」
『じゃあ、今日って何月何日か知ってる?』
「2月22日でしょ」
『うん、それで気付くことは?』
「………」
『全く研磨は駄目だなぁ!2がいっぱいあるでしょ!』
そこまで言っても、全くわからないといった顔をする研磨にため息をついて今日が「猫の日」だと言うことを伝えると、すぐに興味をなくして携帯の画面に視線を移してしまった。
『ねぇ、それでさ、研磨くん』
「………」
『おーい、聞いてますかー』
「…名前うるさい」
『ひどい』
研磨が虐めると嘘泣きをすれば、研磨がため息をして「なに?」と心底うざそうに聞いてくる。うん、なんかごめんねいつも。
『今日猫の日でしょ?』
「うん」
『いいこと思いついたんだけどさ』
「……名前がそう言う時いいことなんて何もないんだけど」
眉間に皺を寄せた研磨に笑ってみせると「一応聞くけど、なに?」と言ってきたので、説明をすると研磨はすごく嫌そうにしていたけど、最後の言葉を聞いて少し不思議そうな顔になる。
『え、どうかした?』
「…その決め方でいいんだ?」
『え?別にいい…けど………あ!?』
「いいよ、やろうか」
『待って待って前言撤回する、ね、待って…!』
「待たない。ハイ、じゃーんけーん…」
忘れてた。
研磨にじゃんけんで勝てるわけがなかった。