How do you think

「赤葦最近彼女と帰ったりしねーの?」

「まぁ……別れたんで」



休憩時間に何気なく。そういえば最近赤葦が急いで帰ったりしないし、彼女と一緒にいるところ見てないなと、ふと思ってそのまま口に出してしまったことを思い切り後悔した。…これはやばい。



「…はい?」

「だから、もう俺関係で絡むのやめてやってくださいね」

「え、いや、そんなことは考えてなかったけど」

「そうスか」



戸惑う俺とは正反対で冷静に答えてくる赤葦に少し驚く。…前見たときは相当赤葦のほうが惚れてるように見えたけど、なんでこんな冷静でいられるんだよ。
じっと赤葦の横顔を見ながら考える。これは、深いところまで聞いてしまってもいいものなのか。ここで話を終わらせたほうがいいものなのか。



「…なんで別れたのかなー、なんて」



ごめん赤葦。ちょっと気になりすぎて無理だわ。ほんとごめんな、今度なんか奢ってやるからな。
俺の質問に少し黙った後に赤葦は自分の手のひらに視線を向けて開いて握ってを繰り返しながら口を開いた。



「……理由はあんまり、知らないっスけど」

「は…?ん?お前がフられたわけね?」

「はい」

「理由聞かなかったのかよ」

「はい」

「…良かったのか、それで」

「まあ、噂では他校に付き合ってる奴がいるって話っスけど」

「はぁ!?」



俺が大きな声を出しても、何も反応しない赤葦にもう何て言ったらいいのかわからない。なんだそれ、じゃあ彼女が二股してたってことか?…いや、でもそういうことするような子に見えなかったけどな。
いつの間にか手を弄るのをやめている赤葦の顔を恐る恐る見てみると、なんとも言えない顔をしていた。…これは怒ってるのか悲しんでいるのか。
なんだよ、まだ未練あんじゃねーの。



「まぁ、噂なんて大概嘘だから信じないほうがいいって」

「……別に気にしてません」

「強がっちゃって」

「強がってません」



ムスっとして機嫌を悪くした赤葦を問い詰めるのはここまでにして立ち上がる。噂に対しては半信半疑ってとこかな。信じたくはないけどって感じか。
それにしても、彼女は一体何を考えてたのかねぇ。

  
×
第3回BLove小説・漫画コンテスト結果発表!
テーマ「人外ファンタジー」
- ナノ -