▼ Every day which keeps clouding
その日のうちに、優里ちゃんに京治くんと別れた事をメッセージを送って伝えるとすぐに返事が返ってきた。
【あ、そう】
たった一言、そう書いてあった。
別れてから京治くんからの連絡はなかった。……本当にこれで、おわりなのかな。
頭の中であの時の京治くんの顔を思い出す。あの時握った手の感触はまだこの手に残ってる。もう京治くんが私の教室に訪ねてくることもなければ、名前を呼んでくれることもなくなるのだろうか。…私も彼のことを呼ぶことは出来なくなるのかな。一緒に帰ることなんてもうないのか。もう少し一緒に話していたかったなぁ。
そんなことを考えていると、やっと収まってきていた涙がまた溢れてくる。もう大丈夫だと思ったんだけどな。やっぱりもう少し時間がかかりそうだ。
次の日。学校へ来てみると昨日までされていた嫌がらせは一切なくなっていた。……でも、やっぱり私に話しかけてくる人は居なかった。クラスでの私の扱いはもうほとんど空気のようなものだった。これはもうしょうがないことだと思って諦めた。多分、私と仲良くなんてしたら何をされるかわからないから。
私が京治くんと別れてから数日経つと、根も葉もない噂が流れ始めた。
私が二股をしていただとか。京治くんの他に好きな人が出来て、そっちに乗り換えただとか。そんな噂。いちいち否定していてもキリがないと思って、もうそのままにしておくことにした。そのうちみんな飽きて忘れると思うから。
京治くんとは、何度か廊下ですれ違った。
もちろん目が合うなんてことはなかった。初めこそ、それが辛くて何度も泣きそうになったけど、それが何度も続いてしまえば泣きそうになることもなくなった。
そんな日々を送っているうちに、私達は二年生になっていた。
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