【みみずく】
「じゃあ、なまえちゃんは部活に入って半年も経ってないのか」
『そうです』
「黒尾さんも酷いことするね」
『んー、それでも入って良かったって思うこともあるし…今じゃ感謝してるかな』
「そっか」
「…あ、やべ赤葦」
「?……あ」
『え?』
「ヘイヘイヘーイ!お前ら何サボって……誰?」
「木兎ちゃんと仕事してきたのかよ」
「したっつーの!黒板消しな!」
「また日誌任せたんですか」
「違ぇよー、書いておくから部活行っていいよって言われたから来たんだよ」
「…ならいいですけど」
「で、この子誰だ?音駒?」
『あ…えっと』
「音駒に新しく入ったマネだそうです。二年のみょうじさんです」
「何!?俺黒尾からそんなこと聞いてねーぞ!」
「いちいち報告することでもねーだろ」
「もしかしてアイツこの前の約束破ったのまだ怒ってんのかな?」
「人の話聞けよ馬鹿」
「…みょうじさんもう帰る?」
『い、いいのかな』
「この人に捕まると長くなるから」
『じゃあ、帰ろうかな』
「あ、なまえちゃん連絡先教えてよ」
『え?別にいいですけど』
「よっしゃ、じゃあラインも」
『あ、はい』
「携帯取ってくるわ」
「なあなあ、なまえっつーの?黒尾怒ってた?」
『へ?いや、別に怒ってはいなかったと思いますけど…』
「マジ!?良かったー!じゃあラインは見てねーだけか!」
「それは無視されてるんじゃないですか?」
「何でだよ!」
「だって木兎さんがラインしたの結構前でしょう」
「何で知ってんの赤葦」
「アンタが大きい声で言ってきたんじゃないですか」
「そうだっけか?」
「はい、送った」
『じゃあ、登録しておきます!』
「ついでに赤葦のも送っておくわ」
『え?』
「いいだろ赤葦」
「え。別にいいですけど」
「またこういうことがあるかもしれないし、木兎のより役に立つから」
『はあ』
「えー、俺のも送れよー」
「なまえちゃんはお前のなんかいらねーって」
「いるよなー、なまえ!」
『え、え?』
「ちょっと、みょうじさん困ってるからそろそろ帰してあげましょうよ」
「はいはい。じゃあいらねーと思うけど木兎のも送っておいたから」
『あ、はい』
「なまえもう帰んの?俺のスパイク見ていけよ!ちょーかっこいいから!」
『えっと…』
「木兎さん」
「…わーかったって!じゃあ、また今度な!」
「練習試合楽しみにしてるわ」
『私も楽しみにしてます!』
「ごめん、何かバタバタして」
『ううん、大丈夫!赤葦くんもまたね!』
「うん、じゃあまた」
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